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picking

踏み出してみる白い床に
染み付いた涙の跡を
みたくなかったから
私は流れる雲についていく

ここから見た空の青さや 
伝えきれなかった深い想い
それでも伝えたいと思うのは
まだ許されるのかな

遠くに花
私はギリギリに立ったまま
思い返すのは
もう遠い昨日や夢

開きたくて 飛び出したくて 唯一の術
信じていた歌だけを胸に 鍵穴を見つめている
逃げたくて逃げたくて 消えたくて

どんな痛みも慣れていた
優しさを求めるのはやめた
なのに今更どうして笑いかけるの

風をうける胸 空を阻むものはもうない
思い残しているのは
私を開けた大きな手の温度

開きたくて 許されたくて 銀色の針
突き刺す先の未知に 自由を求めた
逃げたくて逃げたくて 堕ちたくて

あの鳥が飛んだら
この身体あずけようか
留まらせているのは
扉の向こうに置き去りの
唯一の生きる術

開きたくて 許されてくて ただそれだけでも
私が堕ちたら あなたに受け止めて欲しいよ
もう一度触れたくて 話したくて こんな想いを
抱ける人をのこしたまま 私はきっといけない

この世界に一つの 生きていく理由