ギリシャ歴史の話1 ギリシャ最古の文明

イカロスの話書いたので流れでダイダロス書こうと思ったところ「クレタ島って?ギリシャなの?ミノス王って誰?」という方が出てきそうなので、先に古代ギリシャにおいて比較的重要なクレタ島とミノア文明に書こうと思う。
イカロス書く前に気付けやとも思うが、Hades2にイカロス出ると思ってなくて出た感動を勢いで書いてしまったから仕方ない、これは仕方ない。

クレタ島の人類の起源

クレタ島の歴史は古い。
どれくらいかっていうともうメチャクチャ古い、旧石器時代にまで遡る。
アメリカとギリシャの合同で考古学研究チームを組みクレタ島の峡谷で発掘作業を行っていた。
今回は1万年前に地中海の海洋民族が使っていたとされる石器を探していたそうだ。
そしたら長さ13cmほどの手斧が見つかった。
なんじゃこりゃと調べてみたら17万5千年前ごろまで人類の祖先が使っていた斧とそっくりだったのだ。
それまでの歴史の通説では、その頃の旧人類はボートや筏など海を渡る道具を作りだすことなどできなかったはずなのにと、世界中が驚愕したのだ。
発見したボストン大学の考古学者は
「こんなに早い時期からクレタ島に石器が存在したなんて、驚天動地の発見だ。ツタンカーメン王の墓からiPodが見つかるようなものだ」とコメントを残した。

その後の研究の結果少なくとも13万年前ごろにはすでにクレタ島には居住者がおり、初期人類が地中海を計画的に航海していたということとなったのだ。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2325/

参考元


栄枯盛衰

その後クレタ島にて文明の興隆が起こる。
紀元前37世紀の青銅器時代を迎えたころに、ミノア文明が起こるのだ。
この文明はギリシャ神話にも登場する伝説のミノス王の名に因んで名づけられた。

この頃のクレタ島は木材輸出大国だった。
当時先進地域であったメソポタミアでは常に木材不足に悩まされていたが、そこを森林の豊富なクレタ島がカバーすることで莫大な富をクレタにもたらした。
それによって豊かになったおかげでクレタ島の人口も膨れ上がり、兵庫県ほどのサイズしかない島だが100を越えるポリスが生まれた。
一度大きな地震に見舞われ首都扱いであったクノッソスは崩壊したが、豊富な森林資源によって復興を遂げることができた。
だが興隆は永遠には続かず、膨れ上がる人口に加速する森林資源の消費が追い付かず、かつてはギリシャ圏の覇者であったがギリシャ本土より来訪した古代ギリシャ人であるアカイア人に滅ぼされてしまった。

*その後木材豊富なペロポネソス半島含むギリシャ本土が興隆し、ミケーネ文明が発展を遂げたが人口増大→木材不足の流れで森林が豊富であった小アジアと呼ばれるトロイア(トルコ)へ文化の先端が移っていく。
また1200年ごろに各地で謎の災害が群発し、文化や経済が各地域で崩壊した。これを俗に『前1200年のカタストロフ』と呼ばれる。
未だに原因が特定できていないという中二心溢れる出来事だ。

その後は実質ギリシャ圏の衛星都市の一つとして、傭兵派遣業や海賊業などが盛んだったと記録には残っている。

ギリシャ神話との関連

ゼウスの育った場所がクレタ島であり、神話でもたびたび舞台として登場する。
他にも希代の発明家ダイダロスが牝牛の模型作ったり、怪物ミノタウロスと英雄テセウスが戦ったラビリントスの場所でもある。

テセウスは当時アテナイの王子であったが、当時は木材輸出盛んなミノア文明の全盛期でもあり、アテナイは格下とされクレタの支配下にあった。
そして毎年ミノタウロスに生贄を捧げるためにアテナイに生贄を捧げろと命令され、それを是正するためにテセウスは生贄たちに混じってクレタに赴いたというのが物語の出だしである。
つまりこれらの神話はギリシャ本土のミケーネ側に滅ぼされるよりも前ということで、紀元前15世紀以前の話であろうか。
「神話は実在の話とリンクしている」が信条なので、テセウスの話が3500年前とかの話と考えるとなかなかに感慨深いものがある。

現在

ミノタウロスが闊歩したり、ミノス王がダイダロスを裁いた欧州一歴史の長いクレタ島のクノッソス宮殿後遺跡ですが、世界遺産には登録されていません。
これは1900年ごろに発掘したエヴァンズさんがボロボロの遺跡をコンクリとか使ってドンドコ修復してしまったからと言われています。
*ほかにもミノタウロスの呪いなんて意見も
ですが当時を思い起こせる発掘物は遺跡のあるイラクリオンの博物館に展示されています。

死ぬまでに一度は行きたいミノア文明のクノッソス宮殿遺跡。
ダイダロスやイカロスの姿を思い浮かべたいですね。

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