古代の手紙事情

今ではLINEでメッセージを送ればインターネットを介してすぐ届く、それが当たり前の世の中になっている。
そこに誰かが介在することはなく、自分の意思は相手へと直接渡っていく。
(厳密にはインターネットを介して各サーバーを経由するので、サーバー管理者が覗くことは可能ではある。)
しかしインターネットや電報すら無い時代であれば、用いられるものは『手紙』である。
手紙は書いた人から送り先へ手渡しでもしない限りは直接届くものでは無い。
そこの間に『届ける人』が必然的に生まれる。
であれば届ける人は絶大な信頼がない限りは頼まれることはないだろう。

それに手紙をとどけられる距離そして速度も大事だ。
情報は生モノ、と聞いたことがある人もいるだろう。
情報が産まれてから何よりも鮮度が大事だという意味である。
今では一瞬で届く情報であるが、昔は遠路はるばる手紙を受け渡し受け渡ししてようやく相手方に届くということもままあることであった。

手紙の届くシステムとは?今回はそこを少し書いて行こうと思う。

駅伝・伝馬制

駅伝と言えば最初に何を思い浮かべるか?おそらく多くの方は正月にやってる箱根駅伝を思い出すのではなかろうか。
疾走する走者が次の走者へタスキを渡し繋いでいく競技である。
これの元ネタは古来より世界各国にある『駅伝制度』をもととしている。

駅伝は古代ペルシアを支配していた当時世界一の人口を誇った大帝国アケメネス朝が起こした制度が有名。
『王の道』と名付けた整備した道を、おおよそ一日歩いたごとに『駅』と呼ばれる中継地点を作り、何か指示がある場合は駅を経由し帝国全土に指令を通していた。
商人達や旅人も一日行程ごとの駅にある宿場町を利用することで、全国各地への流通も同時に担った。
それによって広大な大帝国を築き維持していたと考えられている。

その他にも未曽有の大帝国を築いたモンゴル帝国や古代中国春秋戦国時代での秦やインカ帝国などでも駅伝制は敷かれており、広大な領地を支えるための政策として世界中で利用されている。

駅から駅へと馬や馬車を用い、整備された道をなるべく早く通っていく。それによって当時なりの高速通信が行われていた。
また駅伝制によって作られた中継地は、次第に町として発展していき現在の各地の都市と今ではなっている。

疑問

意志が電話やメールなどで瞬時に相手に伝わらないのであれば、それを利用した裏切り行為などはやりたい放題だったのだろうなと思う。
つまりはこんな話があったんじゃなかろうかと

伝令兵A「はるばる○○領のもとまで行くのだるいわなぁ」
伝令兵B「そういうなって、これも大事な仕事。○○領主が××国を裏切って隣国の△△国に与したってのを確認するためなんだから」

伝令兵A「○○領まで着いたけど、これ完全にアウトじゃね?」
伝令兵B「△△国の兵士めっちゃいるじゃん!国王に『裏切り確定!』って手紙に書いてと、よし急いで届けよう!」

伝令兵A「ぐわーやられたー」
伝令兵B「Aがやられた!誰だお前は!」
○○領主「その手紙を届けられちゃあ困るんよ」
伝令兵B「お前が○○領主か!この手紙は渡さんぞー」
○○領主「ええいしゃらくさい!やっちまえお前らー」
△△兵士ABCDE「イーッ!」
伝令兵B「ぐわーやられたー」

○○領主「これでよし、と。あとはこの手紙を偽の手紙に摩り替えて、と」
○○領主「よし、これでいい。この手紙を伝令兵になりすまして××国王まで届けてこい」
△△兵士Aあらため伝令兵C「イーッ!」
こうして手紙を受け取った××国王はスッカリ騙され、○○領から大量の敵が雪崩れ込み滅びてしまいましたとさ。

みたいな話が転がっててもおかしくないよね。
知らないだけであるのかも?ご存知の方是非教えて下さい。

オリジナル小説

『絶対手紙届けるマン(仮)』的な内容の小説なら、案外面白いのかも?
『竜と勇者と配達人』

って漫画あるけど面白いし、案外方向性とワンイシューとしていいのかも。プロット練っときます!

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