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【カジュアル遊戯王】アームド・ドラゴン・サンダーのススメ

前書き。この記事はなんぞや?

いわゆるカジュアルプレイヤー向けの、遊戯王OCGの記事を書いてみたい。そう思ったのが事の発端でした。
でも自分はデッキビルドに自信がなく、紹介できるほどのデッキもない。
でもでも『オリジナルデッキ』というやつを創る、その一歩二歩手前くらいなら書けるんじゃないか?
たとえば遊戯王OCGにおいてはよくデッキの土台となる『カテゴリ』。その簡単な紹介と、そこから発想を拡張させる種を蒔く助けとなるような記事ってなんか意外と少ないよな……。

と、いうわけで。この記事は特定カテゴリに触ったことのない初心者へのざっくり解説。それも純カテゴリで勝つことには寄せず、オリジナルデッキの基盤やパーツとして利用することを前提としたものとなっています。
そして今回の主題は『アームド・ドラゴン・サンダー』。
このカテゴリは一体何者で、どういう動きをするのか? その上でどうやってカテゴリ外のカードに触れ、デッキの幅を拡げていけるのか? 
その辺ざっくりとでも知ることで、今これを読んでいるあなたの中に新たな興味のひとつでも生まれてくれれば、あわよくば新たなデッキビルドの礎にでもなってくれれば、これ以上の幸いはありません。

『アームド・ドラゴン・サンダー』の生まれ

2020年10月31日発売の基幹ブースター『BLAZING VORTEX』に収録されたカード群です。もっと言えば、こやつらの元ネタとなった『アームド・ドラゴン』は遙か昔から存在する長寿カテゴリであり、サンダーたちも正確に言えば『アームド・ドラゴン』を名称として括ってアクションを起こすカテゴリです。
それゆえ元ネタの方の『アームド・ドラゴン』やそれをサポートしたりしなかったりする『おジャマ』カテゴリなど縁のあるカードは凄まじく多いですが、その辺に逐一触れていくとキリがない。
というわけで、今回はあくまでも『アームド・ドラゴン・サンダー』(名前長いのでこれからは度々『サンダー』と略します)に軸を絞って解説をしていきます。それで興味が出たらぜひ、他の関連カードも調べてみてくださいな。こう、なんか、歴史が長い分変なカードも多いから。

『アームド・ドラゴン・サンダー』の大まかな特徴

モンスターについて

『サンダー』は1枚のカードを起点(※not1枚初動)にして、そのカードを”レベルアップ”させて強力なモンスターへと進化させる。そんな戦術が基盤になっています。その最初の1枚がこいつ。

可愛いくせして大食漢です。

ここで重要なのが②の効果。要約すると、こいつは手札のモンスターをコストにして、上位レベルの『アームド・ドラゴン』と入れ替わっていきます。レベルアップの仕方はLv5→7→10。最終的にはこうなります。

3枚食わせるとここまで大きくなります。

このLv10より下の『サンダー』はフィールドに干渉する効果を一切持たないので、即戦力にするならここまで育てる必要があります。
そしてこのLv10は相手ターンにカードを1枚破壊+永続1000パンプとそこそこに強力な効果持ち……ではありますが、元々レベルアップに手札を切っている上でさらに1枚手札を要求されるのは、ぱっと見凄まじく重い効果ですね。ちなみに攻撃力10000以上の効果を狙うのはもっとしんどいので今回は横に置いといて。
ではそんな大食らいをどうやって養うのか? その答えこそが、『サンダー』カテゴリの真骨頂となるわけです。

Lv3の③効果にはこんなテキストがあります。『このカードがドラゴン族モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合に発動できる。
この一文を、Lv10以下の全ての『サンダー』が持っています。この効果はフィールド、デッキ、手札、果てはX素材から墓地へ送られたとしても、それがドラゴン族の効果を発動するためのコストであれば例外なく発動できます。
それぞれのLvが持つ③の固有効果については以下の通りです。

・Lv3が1ドロー。
・Lv5が『風属性レベル5以上ドラゴン族』をデッキからサーチ(※自身と同名も可能)。
・Lv7が『アームドドラゴン』カードをデッキからサーチ(※これも自身と同名OK!)。

これらのカードでアドバンテージを回復しながらLv10で戦うのが、『サンダー』カテゴリの基本となります。
また余談ですが、この時点で混ぜ物に利用できそうな発想として『レベルアップのためには手札のモンスターをコストにする=レベルアップする分だけ、手札からモンスターを切ることができる』というのがあります。同じドラゴン族だけ見てもデストルドーやラルバウールなど、墓地に落としたいカードは少なくないようですね。

魔法罠について

『アームド・ドラゴン』関連の魔法罠も沢山ありますが、その中から使いやすい2種類を今回はピックアップします。

武装竜の霹靂

このカテゴリだから許された感ちょっとある。

テキストがシンプルかつ説明不要の強力効果。
単純に育成しても良し。召喚権を使わずレベル3、風属性、ドラゴン族という恵まれたステータスを捻出する手段として使うも良し。万能ドラゴンリクルーターである『天球の聖刻印』の素材として使うのもマジシンプルに強かったです(体験談)。
あとは呼んだおチビちゃんのレベルアップ効果を利用して手札を切る手段として見るのも、面白いかもですね。
欠点はデッキからしか出せないという重さ。実のところ、直に上位『サンダー』を出す手段もそれなりにあるので、採用必須というわけではなし。

武装竜の震霆

『サンダー』カテゴリのパンプ効果は何気に全部永続です。

Lv7の効果でサーチ可能な置物。
カテゴリサーチが簡単で、回収対象が墓地というのが強み。『サンダー』はその性質上デッキから同カテゴリが枯渇しやすいゆえ、デッキに触らない手札回復が逆に重要になってきますね。
サーチと択になる打点上昇は地味だけど、いざとなればLv5、7が3000ラインを超えたり。覚えておくと地味に小回りが利きます。
まぁデッキ内の『サンダー』の比率によっては1発限りの回収になることも珍しくないですが、その点に置いてもおまけについている効果破壊耐性が侮れません。特にLv10は場持ちが良ければ良いほど強くなっていくので、彼を出す予定があるなら1枚差して損しないと思います。

と、ざっくり基盤に成りうるカード群を紹介したところで、これらを使った初動の紹介に移ります。

テーマ内での初動

とりあえず『サンダー』だけで回すとこんな感じになりますよっていう紹介です。単純にLv10を目指す場合は、主に2種類のパターンがあります。

パターン1:手札にLv3+Lv5

①手札からLv3を通常召喚。Lv5をコストに、場のLv3をLv5へ進化。Lv5のコスト時効果でLv7をデッキからサーチ。
②手札のLv7をコストに、場のLv5をLv7へと進化。Lv7のコスト時効果でLv3(or震霆)をサーチ。震霆の場合は、その効果で墓地からLv3を回収。
③手札のLv3を切って、場のLv7をLv10へと進化。捨てられたLv3の効果で1ドロー。
ここまでで結果的な手札消費は、通常召喚したLv3一枚分となります。

パターン2:手札にLv3+Lv7

①Lv3を通常召喚。手札のLv7をコストに、場のLv3をLv5へ進化。Lv7のコスト時効果でLv5をデッキからサーチ。
②手札のLv5をコストに、場のLv5をLv7へと進化。Lv5のコスト時効果で任意の『風属性レベル5以上ドラゴン族』をサーチ(Lv3はサーチできないので注意!)。
③サーチしたカード(あるいはすでに手札にあったモンスター)を切って、場のLv7をLv10へと進化。
ここまでで結果的な手札消費は、最初に通常召喚したLv3。それと工程③で切った何かしらのカードの合計2枚分となります。

さて。シンプルに結果を見ればパターン1の方が手札消費が少なく動きが良さげに見えますが、パターン2でも実際はLv5の効果でサーチするカード次第でなんか色々変わってきます。
が、ひとまずそれは置いといて。

『アームド・ドラゴン・サンダー』のざっくり特徴まとめ

①『サンダー』は同カテゴリの合わせ引きを前提として、手札消費を抑えながら動く。
②わりと簡単に3、5、7、10レベルまでのモンスターを出力できて、なんらかのおまけ(ライトニングや風属性レベル5ドラゴン族)が付く場合もある。

それを踏まえた基盤の一例

ひとまずの到達点をLv10と仮定して、基盤の一例を出しましょう。ただこれは「多少なりとも『サンダー』で戦うならこれくらいあれば丁度良いかな?」という筆者の独断と偏見による基盤です。あくまでも、あなたの発想の一助として。

合わせ引きが前提のわりに意外とコンパクトなのが特徴かも。

挙動の核となるLv3,5,7及び霹靂が3枚ずつ。到達点だけど、引くとちょっと困るLv10が1枚。Lv7から経由するとちょっとお得なライトニング1枚。
計14枚。これだけあれば経験上、『アームド・ドラゴン・サンダー』な動きが結構狙えると思います。
……が、この記事の本題はここから。
オリジナルデッキというやつを作るのに重要なのは、カードの繋がりを拡げていくという発想です。ゆえに次からは『サンダー』の動きをしたあと、いかに他のカードに触れていくかを考えてみようと思います。

『アームド・ドラゴン・サンダー』の拡げ方

カテゴリの外に手を伸ばすカードは2枚。『サンダー』初動の核でもあるLv5とLv7です。今回はそれぞれ2枚ずつ、相性の良さげなカードをピックアップしてみます。

①Lv5からサーチできる『風属性レベル5以上ドラゴン族』

調べればいっぱい……とは言わないけどまぁまぁいるので、興味を持ったら今すぐニューロンで検索検索! この場においては特に目立つカード2枚でご勘弁を。

嵐征龍ーテンペスト

まー今見ても、③以外全部強。なんなら③も弱くない。

古来より言い伝えられし宇宙最強ドラゴンの一角。
いくつもの強力な効果を持ち、同属性同種族である『サンダー』ならその多くを十全に活かせますが、一番注目したいのは①のドラゴンなんでもサーチ効果。
テンペスト及びもう1枚の風属性はコストによって墓地へ送られるので、各種『サンダー』を捨てればその効果も一緒に使えて超お得。逆に『サンダー』の進化コストとして手札から切り、墓地の『サンダー』を除外して蘇生するのも熱い。Lv5→7の進化で墓地に送れば、ランク7も視野に入りますね。

ドラグニティアームズーグラム

何気にぶっ飛んだ強さに驚き、値段の安さにまた驚く。

わりと安いコストで何度も使える蘇生(しかも手札からも投げられる!)。高い打点に単体無効。相手を装備する効果も、おまけでつく墓地メタと考えれば十二分。どこをとっても強いのに、なんとブースター1パックとさして変わらない値段で買える。その真相は……渓谷サーチマーン!
サンダー進化の過程でサーチ&コスト→蘇生によって無駄なく打点を追加できるところは、テンペストのLv10版といったところ。サンダーLv10と並べてランク10も狙えるのもgood。

②Lv7からサーチできる『アームド・ドラゴン』

前にも書きましたが、『サンダー』以外にも『アームド・ドラゴン』は色々あります。今回は『サンダー』へ繋がるカードと、『サンダー』から伸びるカードの2枚を選出。

パイルアームドドラゴン

ヴァリアブルブックEXの付録です。

手札から”コスト”を切って特殊召喚できる効果。そしてデッキから”コスト”を墓地へ送る効果を持ちます。縦横無尽に『サンダー』の効果を起動できますね。
もちろんこいつ自身もサンダーたちでサーチが簡単。高レベルや風ドラゴンで纏めたデッキにおいてサーチの択に成りつつ、素引きしてサンダーに繋げることも珍しくありません。
また1枚のカードを育てていく『サンダー』において盤面に新しいモンスターを出力する貴重なカードであり、大型っぽい見た目よりも随分と小回りの利くカードです。1枚差しておくとなにかと役に立つカードという印象。

武装竜の襲雷

使いづらいけど面白い。イラストもなんだか可愛い。

”発動する”ターンのドラゴン族縛りを重いと見るか軽いと見るかは人それぞれ。
そんで今まで解説はしませんでしたが、フィールドの『サンダー』はその全てが元の『アームドドラゴンLv○』と同名として扱われます。
つまりこのカードを使うなら、必然的に元のアームドドラゴンをデッキに入れなきゃいけない……かと思いきや。
テキストをよく見れば『デッキか墓地から特殊召喚』であり、『サンダー』は墓地でも名前が変わるので、実はデッキに元アームドが必須ではないということを、この記事書きながら知りました。結構おもろいなこのカード……。
さて、同じレベルのモンスターが2体! 並ぶならばやっぱりエクシーズしたいというのが人情です。そしてせっかく『サンダー』を素材に使うなら、そのコスト時効果も活かしたい。

というわけで、調べました。

『ランク3,5,7,10のいずれか』『ドラゴン族』『コストとしてX素材を取り除く効果を持つ』その全てを満たし、なおかつ『RUM』など特定条件を経由せずとも効果を使えるエクシーズがこちらです。

他にも一部オッドアイズやCXなどもあるっちゃあるけど。

こうして見るとランク7の『黒溶龍騎ヴォルニゲシュ』や『ダーク・アンセリオン・ドラゴン』が単純に強そうですね。『サンダー』の名称ターン1効果を相手ターンにも使えるのもgood。しかしもう1枚、個人的に注目したいカードがあります。それがこいつ。

どきゅうへいそうりゅうおうげき!?

『ゼアル・コンストラクション』を使うことで実質的に様々なカードをサーチできます。襲雷の制約下でも『RUMアストラルフォース』から『オッドアイズ・レイジング・ドラゴン』などに行けるのは多分ちょっと有名ですね。
しかし『サンダー』を使うなら、もうひとつ面白っぽい活用法があります。それが以下の流れによる、確定ドラゴンサーチです。

①Lv5に襲雷を当てるなどして星5を2体揃えて弩級兵装略をエクシーズ召喚。
②弩級略のコストにLv5を使いつつ、『ゼアル・コンストラクション』→『ZWー竜巻雲龍剣(※風属性レベル5ドラゴン族)』とサーチを繋げる。
③その傍らでLv5コスト時効果によって『嵐征竜ーテンペスト』をサーチすれば、手札に風属性とテンペストが揃い、テンペストのサーチ効果が使えます。

……まーぶっちゃけ『深淵の獣マグナムート』という強力なサーチャーがいる今、ここまで手間を掛けてテンペストを使う必要があるかは人次第。
メイン中にサーチできるという個性はまだまだ残っているし、なんならこれでルベリ(ry

手札事故を防ぐ潤滑油

さて、ここまでアムドサンダーの基本とサンダーの動きから派生できる動きをいくつか紹介しました。
さてはて。ここらで察してきたかもしれませんが、『サンダー』カテゴリにはひとつ大きな弱点があります。
それが『高レベルを多重搭載するゆえの事故』が起きやすいこと。軽減する方法は大きく分けて2つあります。

①手札に溜まったアムドサンダーをコストにできるカード(ドラゴン族だとなおよし)を増やす。
②アムドサンダーを場に出力できる手段を増やす=①の案件も満たす。

探せば色々ありますが、今回は手っ取り早い方法を2種紹介。

①華信龍ーノウリーズ・エリーズ(+墓地肥やしカード)

『サンダー』が出た頃のVジャン付録なので、まぁそういうことです。

『竜の霊廟』や『おろかな埋葬』といった墓地肥やしと一緒に入れておくと、事故軽減に一役買います。
なんらかの手段でノウリーズを墓地に落として、『サンダー』をコストにノウリーズを蘇生。『サンダー』の効果が起動できますね。シンプルisベスト。
ただ大きな欠点は、テンペストなどと同じくこいつ自体が事故要因になりかねないこと。
そして疑問点は、『サンダー』を落としてノウリーズを出したあと、コストにした『サンダー』でなにをサーチしてそのあとどうするの? ってところです。
素直にランク7を組んで使い回すだとか、あとはLv7コスト→霹靂サーチから召喚権使わずドラゴン2体→天球とかちょっと熱いかもしれない?
墓地肥やし系カードはテンペストやグラムなんかも直に落とせるので、その辺共有できる構築だと美味しさ2倍かもですね。

②砲撃のカタパルトタートル

何気に色々出せる亀。実質『アームド・ドラゴン』説もある。

なんと単純にLv5をタダ出しできます。すでにLv5が墓地へ落ちている場合、出力先を『魔導騎士ガイア』に変えてもLv5が釣り上げられます。

効果無効にしない高レベル釣り上げ。実は地味に強いと思ってるんだけど、どうかな?

Lv5を釣り上げたおまけに戦士族、レベル7が付きます。なんか色々できそうですね。
また、カタパルトから出せるレベル5ドラゴンには同じくレベル5ドラゴンに関連する効果を持つ『走破するガイア』……をサーチできる『呪われし竜ーカース・オブ・ドラゴン』や、デッキ&手札からドラゴン族をコストで送って効果を発動する『ダークフレア・ドラゴン』なんかもいるので、その辺からデッキビルドのアプローチを掛けても良さげですね。

いやしかし、だいぶ話が長くなっちゃいましたが。ここまでの話を踏まえたり踏まえなかったりした上で、デッキの一例をひとつ出します。筆者が実際に使っているデッキです。姑息なデッキ紹介を……

おまけのデッキ紹介コーナー

実は『魔導竜騎士ガイア』から構築が始まったデッキです。

ざっくり言うと、テンペスト、天球、マグナムートといったドラゴンサーチャーから色んなドラゴンに触ってみようというデッキ。『サンダー』をベースにすることでお手軽にドラゴンを撒いて好きなドラゴンに触れることも、逆にデストルドーなど不要なドラゴンを捨てることも容易いわけですね。
サーチ&リクルートが豊富なのでぶ厚いデッキのわりに事故率が低く、引いたカード次第で盤面が変わります。荒削りで大雑把ですが、そんなところがわりと楽しいデッキです。
『サンダー』ってやろうと思えばこれくらい色々触れられるのだと、記憶の片隅にでももらえればもっけの幸い。

後書き

てな感じでゆっくりならぬざっくり紹介をしてみたわけですが、いかがだったでしょうか。1テーマ紹介に7000文字は長かった? 短かった?
文量やテンポなどを加味して紹介できなかった部分もあり、逆にここだけは長いけど紹介したいとねじ込んだ部分もあり、いったい読み味はどうなることやら。感想いただけると嬉しいです。

ではまた(筆者のやる気があれば)次回○○のススメでお会いしましょう。なんかこう、隙間産業みたいなカテゴリで続けられれば良さげですね。ちなみに今のところは水晶機巧かホーリーナイツかで迷っています。


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