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教育について考える

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#学校教育

ICT教育は、発達障害の子どもをサポートできるか。

子どもの教育とICTとの親和性は、果たして高いのだろうか。文部科学省によってGIGAスクール構想が打ち出され、コロナ禍がその動きに拍車をかけているように思われる昨今であるが、もう一度、ICT教育について考えてみたい。 クリニックによるICT学習支援私は現在、小児科のクリニックで発達障害児を対象に、ICTを用いた学習支援を行っている。小児科のクリニックがICTで学習支援を行うというのは、全国的にも稀な取り組みであるようだ。この取り組みは、当クリニックの院長先生が、院内の療育ス

プログラミング教育が向かう先

プログラミングが学校教育に取り入れられたことから、 街中でプログラミング教室を目にする機会も多くなった。民間企業がプログラミング教育に対して張り切っている中で、保護者や教師は関心の度合いがバラバラであるように思う。そういった状況の中、これからプログラミング教育がどこへ向かっていくのかを考えていきたいと思う。 プログラミング教育の意味以前、プログラミング教育を学校に取り入れる意味ってあるのだろうか、という内容の記事を書いたことがある。 この記事で数多くのコメントをいただき、

自然教育が、地方創生に繋がるかもしれない。

自然に親しむ教育について、少し考えてみたい。私は学生時代に、子どもたちが身近な自然に触れ合う教育について研究をしてきた。そのことについて振り返りつつ、自然に親しむ教育が地方創生に繋がる可能性について考察していきたい。 幼少期の経験が、一生記憶に残る自然との想い出というのは、不思議と人の心に残るものだ。特に、幼少期から小学校低学年のうちに、自然と親しむ体験をさせておくことで、それが原体験となり、身近な自然に対する興味・関心の育成につながる可能性があるのだという(「理科学習の基

プログラミング教育で、何を目指すのか。

2020年度から小学校でもプログラミング教育が必修化された。しかし、現場は手探りな状態である。プログラミング教育で何を目指すのか、またプログラミング教育を行う際の課題を考えていこうと思う。 プログラミング教育の目的プログラミング教育が必修化された背景としては、急速に発展する情報技術の発展により、全ての子どもたちが情報活用能力が求められるであろうこと、また、日本のIT技術が世界と比べて遅れをとっていることに対する危機感があるのだと思う。プログラミング教育で育成する資質・能力は

国語教育で何を学ぶのか。

小学校の6年間で学習する国語の総時間数は、1461時間にのぼる。算数が1011時間、体育が597時間、理科が405時間、社会が365時間ということで、小学校において国語教育はかなり大きなウェイトを占めている。国語では何を学ぶのか、発達段階に応じた学びとは何なのか、教員が国語教育に苦戦する理由について考えていこうと思う。 国語教育は意味がないのか算数・理科・社会などの教科は、筆算の仕方を学んだり、沸点の温度を調べたり、歴史上の人物を覚えたり、学習することが明確である。それに対

遠隔教育が、地方のマインドセットを変えるかもしれないと思う。

地方と都会では、教育格差が存在する。これは、現代の日本にとっても、正直否定できない。義務教育までは、地方は優れている。学級数が少なくてのびのびできて、先生たちも熱心である場合が多い(私の県はとても田舎で、教員採用試験倍率が全国トップクラス)。しかし、高校以上になると、地方の教育レベルは大きく下がると思う。これは、自分が肌で感じてきたことだった。大学にもなれば、そもそも志望する学部が存在しないという事態に陥る。私の県には、工学部・医学部・教育学部くらいしかなかった。しかし、現在