読書感想〜ゴリラ裁判の日〜

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『ゴリラ裁判の日』
須藤古都離

人間の言葉が分かり手話が話せるゴリラのローズ
ある事件をもとに、ローズは自分の暮らす動物園を訴え裁判に…


本書を読んで、人間の定義とは正義とは、そもそも人権とはと考えさせられました。

同時に感じたことが2つ
1つは、動物と話ができるようになるのは望ましい事なのか?
確かに言葉は意思を伝え合え、理解しあうために重要なツールであると同時に、言葉に頼り過ぎて深く相手を思い遣る気持ちが気薄にしてしまったものでもないかと思いました。言葉が通じないからこそ向き合う姿勢も育まれるのかなと。
なので、私はあまり望まないと言うこと。たぶん都合の良い解釈をして自分を守りたいだけなのかもしれません。

2つ目は、本書にもありましたがAIが暴走した時にどうなるのか?
今後さらに進歩していき、AIが言葉を意思を持って操れるようになったら、彼らの暴挙は誰の責任になるのか?
彼らを意思ある独立した存在として考えられるか…
これは答えが見つけられなかったです。心のどこかで存在を認められないだろうと思ったりまするのですが…


本書の内容とは逸れてしまいましたが、物語の構成がしっかりしていたため、なぜローズが裁判をするに至ったかの心情が過去パートで丁寧に描かれていたため、ラストに向けてローズの気持ちに寄り添えました。

ストーリーとは脱線しつつも色々と考えさせてもらえた一冊でした。

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