読書感想〜罪の余白〜

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『罪の余白』
芦沢央

娘・加奈を亡くした父親、その娘を死に追いやったであろう娘の同級生・咲を軸にした物語

物語は転落していく加奈の心情から始まります
加奈は死にたくないと思っているし、父親に対してもこんな事になってゴメンと思っている
この加奈の気持ちを先に知らされているため、余計にこの後に書かれる父親の苦悩が心をえぐってきます
父親の苦悩と対比で同じく悩んではいるが、それは自身の保身のためである咲の軽薄さ身勝手さが不快さを煽ってきます

父親の同僚とし登場する早苗の存在は、この小説の各登場人物の心情パートを細かく繋げていく書き方にハマっていて、一見分かりにくい彼女の行動に人間らしさを現していたように感じました

終始咲の言動に胸糞悪い気持ちにさせられますが、物語の後半からはグッと展開が早くなりサスペンス要素が強くなり惹き込まれました

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