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タイで確定申告ーリタイアメントビザの場合

はじめに

こんにちは、久しぶりの投稿となります。タイでリタイアメントビザを取得してから、2年程経ちました。この間、日本の役所には転出届を提出していて、1年のうち6ヶ月以上はタイに滞在しております。リタイアメントビザの取得には、タイの銀行口座に80万バーツ以上の預金が必要でしたが、その利息には15%の源泉徴収税が課税され天引きされています。

申告の目的

今回は、タイで確定申告(還付申告)し、その源泉徴収税を還付してもらう方法を投稿したいと思います。この申告により、還付金が戻って来るだけでなく、タイで確定申告していることが、日本の非居住者とみなされる税法上の客観的事実の一つにもなるようです。

どのくらい還付される

タイでは、普通預金口座の利息に対し、15%源泉徴収税が課税されますが、利息の合計が年間20,000バーツ以内の場合に還付を受けることができます。例えば、リタイアメントビザ用に銀行に預けた80万バーツであれば、アユタヤ銀行のMee Tae Dai 口座の場合、2024/1/3の利率によれば、年間7,400バーツの利息がつきます。したがって、その15%にあたる1,110バーツ(約4600円)が源泉徴収されることになりますので、これを還付してもらうことができます。他に生活費などの預金があれば、更に還付されるでしょう。(アユタヤ銀行の口座開設については、「アユタヤ銀行で好金利の口座開設!」を御覧ください)

還付手続きの方法

還付手続きは、以下の4ステップです。2022年分の還付手続きについて、TAX IDカードをまだ取得していない状態からスタートします。

  1. TAX IDカードを取得する。

  2. 銀行で源泉徴収票を取得する。TAX ID(納税者番号)を登録する。

  3. オンラインで確定申告書を提出する。

  4. 小切手が郵送される。

1,2,3,4のそれぞれについて、以下に示します。

1.TAX IDカードの取得

滞在先の税務署を訪れます。場所は、google map上で「Revenue Office」で検索すると表示されます。私は、ラヨーンに滞在していたので、2023年の3月に税務署を訪れ、TAX IDカードを取得しました。TAX IDカードには、TAX ID(納税者番号)が記載されています。

手続きに必要なものは、

  • パスポート

  • 申請書(L.P.10.1):予めプリントアウトして、住所などを記入しておきました。⇒ それを見せると、税務署で記入してくれました。申請書は税務署にもあります。

です。

具体的には、申請書(L.P.10.1)のPDFファイルを街のプリント屋のLINEに送信し、プリントしてもらい、それに住所などを記入しました。記入の際、申請書のタイ語はgoogleレンズで訳しました。

税務署では、リタイアメントビザの場合、税金を支払う必要がないので、申請理由を聞かれますが、「銀行預金の利息の源泉徴収税の還付」と答えました(google翻訳アプリを使っています)。その後、10分程度でTAX IDカードを発行してくれました。カードのサイズは、クレジットカードより少し大きい程度です。

2.銀行で源泉徴収票の取得とTAX IDの登録

バンコク銀行、アユタヤ銀行、サイアムコマーシャル銀行の口座を開設していましたが、それぞれ以下の手続きをしました。なお、銀行を訪れる際には、TAX IDカード、パスポートを準備してください。

バンコク銀行
ジャパンデスクにメールで問い合わせたところ、TAX IDの登録は、口座開設支店で行われること、TAX IDを登録してからでないと源泉徴収票を発行できないこと、が分かりました。源泉徴収額が少なかったこと、口座開設支店まで遠いこと、から何もしませんでした。

アユタヤ銀行
口座開設支店ではないラヨーンの支店でTAX IDを登録することができました。また源泉徴収票も取得できました。

サイアムコマーシャル銀行
口座開設支店ではないラヨーンの支店では、TAX IDの登録はできませんでした(口座開設支店で登録できるかどうかは確認しておりません)。また、源泉徴収票は取得できました。

3.オンラインで確定申告書を提出

オンライン申告は、次のステップで行います。

  • オンライン納税システム(E-FILING)に登録

  • 申告書の作成

  • 書類をアップロード

  • 進捗状況の確認

具体的な手順は以下になります。

オンライン納税システム(E-FILING)に登録
タイ歳入局サイトからE-FILINGを選択し、アカウントの登録を選択、その後、TAX ID、パスポート番号、メールアドレス、タイ語での住所、生年月日、パスワード、秘密の質問などを登録します。

歳入局のサイト
E-FILINGを選択後の画面
TAX IDの入力画面

申告書の作成
E-FILINGにログインし、上部メニューの一番左の項目(ยื่นแบบ)を選択します。更に、確定申告用紙のpnd90/91を選択、その中の(มาตรา 40(4))を選択(利息収入が含まれる)します。銀行で取得した源泉徴収票から、銀行毎に、総収入額、源泉徴収額、TAX ID(銀行のもの)を入力します。

その他

  • 還付を受け取らないことも選択できますが、受け取る側にチェックしました。

  • SMSで税務署からメッセージが来ることになると書かれていました。

  • 申告書を作成後、pnd90を印刷するメニューでダウンロードして、ファイルをPCに保存しました。

  • 無事に申告されたことがメッセージで表示された

書類のアップロード
歳入局のサイトから、My tax accountを選択し、ログインします。「pnd90が正常に提出された」との履歴が表示されます。更に、「ติดตามสถานะขอคืน/นำส่งเอกสาร」をクリックすると、進捗状況が表示され、その下の「เลือกเอกสารเพื่อนำส่ง」をクリックして銀行の源泉徴収票の書類(画像)をアップロードします。

以上で、オンライン申告が終わります。

歳入局のサイト

進捗状況の確認
上記のように、歳入局のサイトから、My tax accountを選択してログインすると、進捗状況が確認できます。

4.小切手が郵送される

上記の進捗が進み、源泉徴収票をアップロードしてから、約3ヶ月で進捗の下側に小切手を発送したとのメッセージが表示され、SMSでもメッセージが届きました。数日後、郵便が届きました。中身はA4用紙一枚で、通知書と小切手からなり、上側が通知書、下側が小切手になっていました。小切手の有効期限は6ヶ月で、タイの銀行で換金できます。私は、口座のあるアユタヤ銀行で入金手続きをしました。その際、通帳を持参しました。通知書は手元に戻ります。手続きから3日以内に入金されました。

2023年分の還付申告について

2022年分の還付申告では、2023年の3月の申告から小切手の到着まで約3ヶ月もかかりました。そこで、2023年分は2024年の1月上旬に手続きを開始して、申告から約半月で郵便物が届きました。とても早かったです。
住所はラヨーンを離れていましたので、E-FILINGにログインしてから、まず住所変更をしました。その後の申告の手続きは、2022年分と同じです。

おわりに

リタイアメントビザでも、還付申告をするという理由を告げれば、TAX IDカードが発行され、その後の申告は、オンラインで済ますことができます。銀行の支店によっては、TAX IDを登録してくれないこともあるようですが、源泉徴収票を発行してくれるので、還付を受けることができます。小切手が郵送されてくるまで時間がかかるので、帰国や引っ越しのスケジュールがある場合は、できるだけ早く申告するのがいいと思います。

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