管理栄養士は食の健康を支えるスペシャリスト

管理栄養士の活躍の場は幅広く存在し、介護現場もその一つだ。介護現場の管理栄養士は、介護サービスを受ける高齢者の健康を食の面から支えるスペシャリスト。高齢者一人ひとりの身体状況を考慮して栄養バランスのとれた食事を考案することが大きな仕事だが、その裏にはさまざまな職種との連携もある。介護ではチームケアを基本とし、高齢者のQOL・ADL向上に向けて多職種がそれぞれの専門性を発揮して支援を行う。各職種が独りよがりのサービスを行っていても、高齢者を主体としたより良いケアには結びつかないのだ。医師の判断を柱として、そこから高齢者や家族の意思を考慮し、どのようなゴールを目指してサービスを行っていくのかチーム内でしっかりと情報を共有しなければならない。管理栄養士だけの判断でそのゴールを妨げないように、チーム内での連携は必須だ。

もしも、食事ができない高齢者がいた場合、管理栄養士は率先してその原因を追究しなければならない。口内炎や虫歯などが原因の場合もあれば、服薬時間の影響で食欲不振につながっている場合もあり、いろいろなことが原因になり得る。そこでも考えられる原因をもとに、さらに介護士や薬剤師などの多職種との連携や相談が必要になるのだ。管理栄養士は、介護施設だけでなく在宅介護の場面においても需要が広まっている。高齢化に歯止めがかからない昨今、住み慣れた自宅で暮らしながら介護を受ける人の数も増え続けている。在宅介護を受ける高齢者とその家族に対して、栄養や食事に関する指導を行うのも管理栄養士の重要な仕事なのだ。