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自己肯定感を高める『Talent Show』

息子の学校は夏休みに入りました。
3月13日以降一度も学校に行けないまま。新学年はいつからどうやって始まるのか、何も決まっていないままです。

さて、3年生の最後に『Talent Show』というのがありました。
Zoomでの授業だったので私もこっそり全部見て、とても楽しませてもらいました!

『Talent Show』。つまり、自分の特技をみんなに披露する会です。

ピアノやギターの演奏、絵を描く、バスケ、野球、フットボール、ダンス、アーチェリー、料理、ビートボックスなどなど。ソックスをリメイクしてマスクを作った子もいましたし、自分が投稿したポエムが雑誌に掲載されたとそれを朗読した子もいました。
それぞれの個性がとてもキラキラしていてほんとうに素晴らしかったです。
小学校3年生というこの年齢だからよいことなのかもしれません。

これをするにはまず、自分の得意は何?と自分を見つめなければなりません。いつもやっていることは何?好きなことは何?上手にできることは何?
何をするか決めたら、今度はみんなの前で披露する勇気を持たなければなりません。多くの子がビデオを撮って先生に送ったので実際はリラックスした中でできたかもしれませんが、小心者のうちの息子なんかは、自分の番の時には相当ドキドキしていました。
そして、それぞれのTalentを見た後には、みんなで拍手したり声をかけたりしてめちゃくちゃほめるのです。これが素晴らしい。
やる側としては、自分の得意を見つけて、披露して、ほめられる!やったー。
見る側としては、みんなの個性を認めて、称賛する。
みんな違って、みんなすごい!
これはとても自己肯定感を高められる企画だと感心しました。

ポイントは、絶対にみんなが完璧なものを披露しなきゃいけないというわけではないところです。
日本でやる場合を勘ぐると、お稽古事格差が出るからやめて欲しいといった反対意見が出たり、ちゃんとしたものでなくちゃ披露できないといって猛練習する子が出てきたりというのを想像してしまいます。それで結局、こんなことに時間と労力を割くのはやめましょうみたいなことになっちゃったり。

そんなでなくていいのです。
パンケーキをひっくり返そうとしたらぐちゃぐちゃになっちゃったり、ひっくり返したら焦げてたり、お皿に盛りつけようとしたらこぼしちゃってもいいのです。
ダンスしますーって言って、ほんの10秒くらいのあっという間でもいいのです。
アーチェリーしますーって言って、的には1本も当たらなくてもいいのです。
このおおらかさ、ほっとします。
好きなことを見つけてやってみる。それをみんなで称賛する。そこに意義があるのです。

先生のほめ方もとても素晴らしいのですが、子供たちのほめ方も素晴らしい!
Really cool! You did a good job! I love it!
友達をこんな風に素直に称賛できることこそ、自己肯定感が高いことの現れではないかと思いました。

しかし中には、「自分もできるよ」「自分がやったらもっとすごいよ」と重ねてくる子もいるにはいます。そういう子は、身近な人から「勝たねばならない」と言われて育っていて、プレッシャーと不安の中にいるのだろうなと想像しました。
誰かに勝つためにがんばるというのはモチベーションを高めるのに効果的だと思いますし、人生は戦いでもありますから、必ず勝つという強さを持てているのは素晴らしいとも思います。でも、だからと言って勝ちさえすればいいというところで終わったのでは幸福感は得られないのだなと考えさせられました。

そこにあるのは、相対評価と絶対評価の違いではないでしょうか。
誰かと比べて自分がどの位置にいるか?ではなく、自分が思い描いている目標に対してどの位置にいるのか?を考えた方が心の安定を得やすいのだと思うのです。
自分を盛ってクラスの友達に勝った気分になったところで、世界はもっと広いのです。たまたま身近にいる人と比べてどうだで満足するな。もっと大きくなれ!と息子には言わなければ~と思うのでした。

個性を見出し、自信を持たせて伸ばす。
伸びた個性を大切に育てる。
他者の個性を肯定する。

息子に対しても、私自身も、意識していきたいです。

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