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「フォードvsフェラーリ」感想
相も変わらず映画の感想を。
今回は「フォードvsフェラーリ」
若干のネタバレあるっぽい。
映画館で見るべき映画
映像と、それ以上に音声、これがこの作品最大の魅力だと思う。
そういう意味では良い設備で見ないと大分勿体ない、そんな事がまずは思いつく。
特に多用されていた、車体の下から道路を舐めるようなアングルは圧倒的な迫力だったし、流石の作りだなという印象。
タフガイの描き方
あとは何と言っても、マット・デイモンとクリスチャン・ベール二人の恰好良さを堪能する映画じゃなかろうか。
日本人の自分の想像なのでズレているかもしれないが、アメリカ的なタフガイとしての理想像が二人に投影されているように思う。
その点では実にこの二人は似ている。
ただ一点、他者との妥協するラインだけが大きく異なっている。
フォードに対して妥協を繰り返すシェルビーに最初はマイルズが怒りを募らせる、しかし最後の最後に最も大きな妥協を決断したのはマイルズである。
実の所、マイルズの最後の決断には、最初はあまりピンとこなかった。
ただ後から振り返るとマイルズという男は、最後の最後にシェルビーに感化されたのだと気づかされた。
安い言葉を使えば、「友情」になるだろうか。
表面的なやり取りより何より、二人の関係性を表す一番の見せ場だったのだと思い直し、まだまだ見る目が足りないなと反省しきりである。
実はあんまり刺さらなかった
ここまでは上々に評価をしてきた。
もう、娯楽として最面白いのは間違いない、ただ自分に刺さらなかったな、とも思っている。
何となく腑に落ちない感じが残っているのだ。
ここからは、少しばかり辛目の表現になるので、「そういうのが駄目です」という人はUターン願います。
フェラーリは?
まず、この映画ってあんまり「vsフェラーリ」じゃないという点。
このタイトルが最もキャッチーになるのは、その通りなのだが、主題から離れすぎているように思う。
更に言うと、この映画でフェラーリは割りと当然の如く悪役らしい描き方をされているのだが、ここに個人的に納得がいかない。
冒頭でフォードがフェラーリの買収を断られるという事件はあるものの、まあ多少の怨恨はあれど…というレベル。
それも二人の主人公は別としてフォード側そのものも良く描かれていないので、どうにも描写に無理があるように思われる。
フォードにもフェラーリにも特に思い入れのない人間だからで、アメリカ人的視点とかモータースポーツ好き的には成程という感じなのだろうか。
どうにも悪役が…
先に触れたフェラーリを悪役、まあ良く言えば敵役に置いたのも影響しているように思えるけど、副社長のビーブが安っぽく見えてしまったの気になった点。
どうにも小物っぽ過ぎるというか。
史実をベースにしている以上、あまりに逸脱した人物像を作りこめないという事情もあるのだろうけど、もう少し迫力なり不気味さなり、悪役としてのインパクトが欲しかったかな。
終わりに
幾つかの不満点はあれど、全体を通して見て佳作と言っていいと思う。
エンターテイメントの王道を行っている作品であり、あのセリフを思い起こすような映画だった。
確か「紅の豚」だったかな「カッコいいとは、こういうことさ」っていうやつ。
これがふんだんに詰まった作品だと思う。
次はジョジョ・ラビットの予定。
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