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伝わるように話す努力

子どもが生まれてから、言葉に付随するメッセージや伝え方について考えるようになった。愛情を伝えようとして呪いになってしまったり、良かれと思ってやったことが裏目に出てしまったり、言葉は本当にむずかしい。


考えるようになったきっかけは、夫が連発する「ちゃんとして」だった。

その日娘は、夫に椅子の座り方を注意されていた。足をぶらぶらしたり、膝を立てたり、いすの上に立ったり、食事中なのに落ち着きがない。夫は少しイライラした様子で何度も注意していた。

「なんでそんな風に座るの?ほらちゃんとしてよ。」
「ちゃんと座ってごはんたべて」
「次ちゃんとしてって言ったらもう今日はお菓子なしだからね」

そのたびに娘はすこし姿勢を整えるのだが、すぐにまた足をぶらぶらし出して注意される。なんとなく、食卓に嫌なムードが漂っていた。

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そのときふと、そういえば本で「子どもはちゃんとしてがわからない」って書いてあったな…あとTwitterで「足裏に刺激がないと落ち着かない子どもがいる」って情報なかったっけ?と思い出し、言い方を変えてみた。


「すーちゃん、おしりを椅子にくっつけて、足を下ろしてね。足をじっとしているのがいやだったらぶらぶらしてもいいけど、いすに足は立てないよ。足にお椀がひっかかるかもしれないからね」

「パパさ、うちの椅子だと足が床につかないから、ぶらぶらしちゃうのは許してあげたら?子どもは足がどこかに触ってないと落ち着かないって聞いたことあるんだよね。お行儀悪いわけじゃないと思うよ。こぼさなければいいんじゃない?あと、ちゃんとするってどういうことなのかわからないから、具体的にどうすればいいのか教えてあげて」

夫は納得し、食卓の雰囲気は少し持ち直した。

夫も、怒りたいわけではなくて、きちんと食事のマナーを教えようと思って注意しているのはわかる。愛情もあるのはわかる。でも、娘からしてみたら、パパはなにを言っているのかわからないし、何度も注意してくるし、いい気持ちはしていないはず。

子どもの語彙力や特性を理解して注意をするよう親も努力していきたいし、言葉から伝わるメッセージのことをもっと大事に考えてみたいなと気付いたできごとだった。

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それ以来、まずは自分のいい方から直そうと、少しずつ気付いたときには修正するようにしている。例えば、「なんでいうこと聞かないの」は「親の言うことを聞かないのは悪いこと」というメッセージを発しているので、意識して言わないようにしたり、「ダメだよもう時間ないから」と言っていたシーンでも「いいよ、3分ね」と肯定から入るようにしたり。

危ないことをしてきつく叱り、子どもが激しく泣いてしまったときは、なにがいけなかったのかきちんと説明して、「嫌いだから叱ったわけじゃないよ。○○が危なかったからだよ。いつでも大好きだよ」と伝えることもある。

ほかにも、夫になにか伝えるときに言葉を省略せず丁寧に背景から説明したり、事実だけでなく自分の気持ちもセットにして話すことを意識するようになった。

仕事で疲れたり、気持ちに余裕がないと、家族とのコミュニケーションが雑になりがち。自分の心のメンテを定期的にして、言葉を大切に暮らしていけたらいいな。来年はもう少しできるようになりたい。

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