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スラムダンクで知った父の本性

いま私が一番嫌いな人を上げろと言われたら、0.2秒で「父」と答える。
父は暴力を振るうわけでも酒に溺れているわけでもない。
でもとにかく「自分は間違っていない」と思っている人。
だから基本全人類を下に見ているような節がある。
誰かに謝るところを見たことがない。そんな人。

でも、小さい頃の私は父が大好きだった。
大きな車で旅行に連れて行ってくれたり、
夏休みの宿題の工作を一緒に考えてくれたり、
初映画館で観た「もののけ姫」は今では考えられない程超満員で、
通路での鑑賞が許されていた。その時も父の膝の上でワクワクしながら観た記憶がある。

父の本性が初お目見えしたのは、
私が保育園だか小学生だかに流行ったTVアニメ「スラムダンク」だった。
私が朝、NHKの子供番組を観ていると、父が起きてきて、何も言わずにチャンネルを変えてスラムダンクを見始めた。
私は怒ってチャンネルを戻した。

「この家の家主は俺だ!!誰が買ったTVだと思ってる!!」

初めて父の怒鳴り声を聞いた。
小さい私はこの言葉の意味を理解できず、大人に大きい声を出されたショックでそれはもう泣き散らした。
母親が飛んできて「何があったの?」と聞かれたが、その時父はいなかった。
だから自分が何で泣いているのかもよく分からなくなった。

スラムダンクを見ると、その衝撃を思い出す。
でも映画版スラムダンクは3回観ました。最高です。ミッチー大好き。


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