匿名性による棘は親近感の醸成で取り除けるかも、という話
Koineyという「同時空コミュニティ」を創れるプラットフォームを作っている、forCreatorsのHarryです。
Koineyは、同じ場所で同じ時間を共有した人々が、匿名チャットに入ってつながり、自由に情報交換や感動共有ができるコミュニティ形成ツールです。
サービスの特性上、「匿名チャット」について科学することが多いのですが、気づいたことや仮説をここに残します。
匿名チャットが荒れる理由
Twitter含め、匿名チャットとか掲示板のサービスはいっぱいありますが、匿名性は諸刃の剣で、最近は悪い面がかなり前に出てしまっている気がします。Twitterの炎上とかを見ていても、匿名という装備に守られたセーフゾーンから歪なコミュニケーションをする人が多すぎる時代で、すごく生きづらくなってきているのは皆さんも感じてるところだと思います。
純粋にみんなデジタルに慣れすぎて、リアルの自分とはかけ離れた多重人格を簡単に使いこなせるようになったために起きている弊害で、「ネットで言えばいいか」ってなることで逆に、若者を中心に、例えば政治デモ(下記)や街頭演説など、リアルで"体張って声を上げる"人はどんどん減っている、かつ意義を感じない人が増えているのもそれが理由な気がします。
共通点の発見が親近感を醸成する
話は変わるのですが、
海外旅行中に、その辺で出会った外国人と話して、日本行ったことあるよ!って言われた瞬間にすごく話しやすく感じる
新入社員の自己紹介で、出身が自分と同じ都道府県だと知ると、ちょっと話してみたくなる
みたいな経験ってないでしょうか。
全然知らない他人でも、一つでもリアルな自分との共通点が見つかった瞬間に、一気に親近感が湧いて仲良くなれる気がする体験です。共通点が一つあるだけで、話すトピックも大量に湧き出て、なんか無碍にできない気がしてくる。
結論
僕は、匿名性の利点である「プライバシーの保護」「発言の自由」を担保した上で、棘のない心地よい空間にするために必要なのは、この「親近感」なんじゃないかと思っています。
コミュニティと言われるものの正体も、共通点を持つ人たちの集まりであって、共通点があるからこそ親近感が生まれ、結束感が強まる。という仕組みです。
匿名チャットといえど、そこに参加している人たちに対して共通点を見出させ、もしかするとリアルで会ったことがある人かもしれない、すぐそばにいる人かもしれない、という身近さ(親近感)を自覚させることで、棘のない優しい会話に包まれるようになるのではないか、という仮説でサービスを作っています。
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