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創像工房 in front of.『俺たちは志士じゃない』

7/1 マチネ@日吉 塾生会館

毎年恒例、新人公演の季節☀️
これを境に、梅雨から夏へと切り替わる感じ

観劇後のアンケートを盛大に手抜きしてきたので、「追い感想」をば。


【脚色など】

120分尺。
楽日なので多少伸びるかな?と思ったけれど、時間通りでびっくり。

当方、恥ずかしながら原作に触れたことがなく、事前情報なしでの観劇でしたが、わかりやすい物語でした。

「間違えられる」という設定そのものがキャッチーというのはあれど、要点を押さえた脚色となっていた点が大きいのではなかろうか、と勝手に思っており。

役の見せ場を意識しつつ、話を伸ばしつつ縮めつつ…という地道な作業を丹念に進めていったのだろうと想像します。お疲れ様でした。


【殺陣など】

演出面の第一印象は、
新人公演にしては殺陣少なめだな、でした。
もっとも、劇団☆新感線の脚本ではないので、こんなもんなのかもしれません。いつもが異常に多かっただけ説。

というのも、至近距離で殺陣をする舞台が個人的に久しぶりでして。ここ最近は大劇場での殺陣を目にする機会が多かったこともあり、あらためて小劇場での時代劇は迫力があると思いました。そうした意味で、もっと殺陣シーンが多くても良いのにな、と感じてしまいました。

そこから派生して、誰も死なないで終わるのも珍しいですよね。(少なくとも)舞台上の人間は欠けずに収束するという。でも、武士ではなく志士らしい生き様って、もしかするとこういうことなのかもしれないですね。


【スタッフワーク その1】

舞台効果などなど。
見せ場を映させる目的から、舞台効果を足し算で積み上げていった結果、派手派手になるというのがかつての定石だったかと思います。
(これはこれで好きです。)

今回は、引き算の印象を抱きました。無駄に日常感とか屋内感とか出さず、心情的に昂るところ(若しくは殺陣など動的なシーン)等、ポイントポイントに絞ることを徹底していた気がします。頭上の灯体プランニングからも、そうした思考が滲み出でいるような感じでした。

そして、そうであるが故に映える、ラストが良かったです。他にも、冒頭の暗転までの流れとか、松吉が剣を抜く→ vs 新撰のシーンとか。
これを限定されたエモ、と名付けることにしました。はい。


【スタッフワーク その2】

その他スタッフワーク等。
(あまり詳しく無いので、素人がなんか言ってる位に思って下さい)

舞台鑑賞に行く理由の一つに、非日常感を全身で味わう的なものがあります。西武園ゆうえんちとか、東映太秦映画村とかがきっと近いのだと思います。その点、今回の舞台美術は期待を裏切らない作品でした。瓦っぽい造形物が好きです。それと、遠目に見るとパネルに漆喰みがあるのが不思議でした🤔

非日常感を担保するという意味では、衣裳からもこだわりを感じました。藩士サイドと天王寺ファミリーとで、荒さと落ち着きが「対」になって表れているようでした。加えて、新選組の中で、土方だけ暗めな色合いで作られていたのも、分かりやすくて良かったです。


【演技など】

新人公演の演技は、それだけでジャンルになり得ると勝手に思っています。唯一無二ですよね、唯一無二。

そんな中でもプロによって特徴があるということかと思いますが、私が観た1プロの方は、皆さん楽しそうにやっている印象でした。これはイキイキ的な意味合いです。
それと、千秋楽バイアスもあるのでしょうが、悔いのないよう出し切ってやろうというパッションが垣間見えました。

特に松吉とか日野とか清之助とかしのとか竹次郎とかそんな感じでした。個人的に、竹次郎が最終的に自立(自律)していく様に感動しました。

桂は、自分が率先して楽しんでいこうという勢いがあって、かつ、それに1年代が乗って行くという相乗効果を生み出していた気がします。

土方はとにかく声がいいという笑
きっと、舞台上であの声で居続けると共に、声で精神統一しているような側面もあるんじゃないかなと。新撰組の大黒柱であり、だからこそ、沖田もついて行きやすかったのではと思います。沖田は目力で語る感があって格好良かったです。

天王寺は落ち着きある佇まいの裏にパッションがありました。中盤までは主人としての印象が強く、戦には出て行かないタイプかな?と思いきや、最後の最後でちゃんと登場してびっくり。

女性陣は女性陣で、キャラクター性に富んでいて良かったです。美咲は、vs桂後の繊細な心情表現が響きました。舞台経験者な気がしなくもないです。
そして、美咲想いの澄は立ち回りがThe 女中という感じで、セットで登場するとどこか微笑ましさがありました。

かえでは芯のある、強い女性でした。途中で長州の探偵なんかーいっ!とやや驚きましたけども、この時代でも、一仕事人として女性が活躍しているのがどこか嬉しかったです。

琴は身なりから高級さが伝わってくるという笑
でも単なる奥様という感じではなく、軽やかなステップでお茶目さを持ち合わせている様子。

出演した皆さん、本当にお疲れ様でした。
(記憶力が壊滅的なので、誤りや偏りがある点、どうかご容赦ください。贔屓とかなく、単に思いつきで書いているだけなのです(ーー;))


【余談中の余談】

新人公演2018の千秋楽翌朝、頭上には雲一つない空が広がっていたことを覚えています。自信を持って「打ち込んだ」といえるものが、いつの間にか過ぎ去っていて、言葉に表せない気持ちでした。

でもそれは、決してネガティブ一色なものではなく、新しい季節と共に新生活がはじまるというポジティブさも有している様でした。即ち、ここから限られた大学生活を演劇に費やしていくことになるのです。

…というわけで、1年代の皆様もその餌食です。これから今まで経験したことのない、充実した演劇ライフを送ることでしょう😆笑

皆様のご活躍を心よりお祈りしております。

これは閉店するしばしょー
全部盛りは至高。あざした。

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