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前回の記事では、ぼくがお金と時間をかけてまで弾丸ツアーをする意味合いを語った。
その記事の終わりに出てきた一言。

はりやという拠点をベースに、様々な組織や人がタイアップしていければと考えている

今回は、1人の人間がハブになれる可能性を探ってみたいと思う。

アンテナショップの限界から見えてきた。

1人の人間がハブになれる可能性を考えはじめるのには、あるきっかけがあった。

それは、自治体の政策で展開されている大半のアンテナショップが赤字だということだ。

アンテナショップとは、「自治体が主体となって、単なる観光物産案内所ではなく、地域の多様な情報を受発信するとともに特産品販売施設や飲食施設等を設置している店舗(下記の資料から引用)」のことである。

アンテナショップの詳細については、2019年度 自治体アンテナショップ実態調査報告をご参照いただきたい。

アンテナショップの役割は、地域の魅力を発信し、地域の特産品を売るなど、地域の認知度の向上と活性化を図ることである。

しかし、家賃や光熱費等がかかる上に、そう簡単に地域の特産品が売れているわけではない。

アンテナショップを運営していく。
東京や大阪に自治体の事務所を構えていく。
これらには、非常に高いコストがかかる。

ある自治体では、東京事務所を運営していく際に、人件費や活動費を除いて毎年1400万円の経費がかかるとの試算がある。
それもそのはず。自治体の認知度や価値を高めるためにも、事務所やアンテナショップは立地が重要で、建物の貸借費は高額になると予測できる。

つまり、◯億円の利益をあげてもそれ以上に運営に費用がかかっているのが現実なのだ。

人は自由に動けて、コストもかからない。

それに対してだ。
ぼくのような全国各地を飛び回る定住人口や毎年島に来てくださる大学生や研究者、旅人といった関係人口が地域には存在する。

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そのような人たちは、特定の地域と居住地の行き来にはお金がかかるが、1つの特定の場所とは異なり自由に動ける存在だ。

アンテナショップや事務所を構えるよりも、地域の魅力を伝えるアンテナ的な存在を全国各地に1人でも多く輩出していく。

これこそ、魅力のある・好きで仕方ない地域を盛り上げるにはもってこいのやり方だと考えている。

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さらに、このアンテナ的存在は、地域に住んでいる人にもになってほしいと思っている。
地域の中で、地域の魅力がどんどん広がっていき、地域への想いがより一層強くなるからだ。

誰かに地域の魅力を伝えていく存在に。

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そして、「そのアンテナ的な存在でありたい。」とぼくは思い続けている。

「ハリーがいるから、対馬に行かなきゃね。」とか「ハリーのおかげで対馬を知れたよ。」とか、島外で会う方々に言っていただく声がぼくは嬉しくてしかたない。

さらに、ぼくに出会ってから、対馬に来てくれた人や福岡にあるよりあい処つしまに顔を出してくれる人が現れた。

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(よりあい処つしまの店長が知り合いとツーショット)

こうして、ぼくの大好きな対馬のファンが広がっていき、対馬の魅力を知らない誰かに伝わっていく。

ぼくという存在を通じて、対馬という国境離島を知ることができる。

ぼく自身が島外の弾丸ツアーで得た1つの役割だ。
そして、ぼくが弾丸ツアーを続ける動機になっている。

人というフィルターを通して見る地域の良さ。

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最後に、人こそハブになれると考える上で、一番大事なことを記したい。

それは、昨年対馬で出会った、NPO法人 樹木環境ネットワーク協会澁澤寿一さんさんからいただいた言葉にある。

「いいか。人というフィルターを通して地域を見たことで、地域の魅力を深く感じることができたんだ。」

単に、地域の風景を見たり、美味しいものをいただいたりするだけではなく、そこに生きる人の話から地域の魅力を感じることができる。
だから、人って大事な存在で、聞いている側はその話す人の熱い・奥深い想いを感じ取ることができるのだ。

なぜ、その地域で暮らし続けるのか。
何をモチベーションに生きているのか。
どうして、そこまで頑張れるのか。

このような地域に生きる人の想いに出会えるのも、地域を知る人と対面するからである。

ぼくも、地域に生きる1人の人間としての想いを相手に伝えながら、ハブとして動いていきたい。

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