協調性を重視している大企業が多い理由と正論は正しいとは限らない理由

自分が言っていることは間違いではない。
自分の言っていることは正しいのに。

いわゆる正論と呼ばれているものが、ある意味で正しくて、ある意味で正しくない。ということに気づくまでに随分遠回りをしたように思います。

30代前半までは正しいことを言っているのに、なぜ評価されないんだ?
なんていうモヤモヤを心に抱きながら生きてきました。

40代になり、子育てをしている中で徐々にではありますが、正論は必ずしも正しいというわけではないということを理解できるようになりました。

モヤモヤがスッキリするまで約10年ですかね。長かったですが、このことを知るための10年だったようにも思えます。ここを乗り越えなければ先に進めないぞと言われ続けてきたんだろうなと。

はっきりと乗り越えられたと胸を張って言えるかどうかは、正直まだ分かりません。ただ、身近に現れた正論を振りかざす人が現れた時、これまでの自分なら真正面から対立し、自分の正しさでもって対抗していたんだろうなと。その人を見るだけで腹が立つし、同じ空間にいるのも話すのも苦痛でしかなかっただろうなと。その人とのコミュニケーションが嫌で嫌で仕方なかったと思います。
今も別にその人とのコミュニケーションを素晴らしいとか嬉しいとか思ってはいません。できる限り関わりたくないなとも思っています。

それでも、これまでなら同族嫌悪で、自分のネガティブな部分が表に現れ、マイナスな感情を抑えきれずにいたのですが、今回は冷静に客観的に見られるようになっています。

これもまさにタイミングでしたが、最近たまたま目にして読んだ本に、正論に関しての自分の中に起こった変化が言語化されていたので、本の内容を紹介しながら正論について説明していこうと思います。

思いがけず利他という本 仲島岳志著

こちらの本は正論について書かれた本ではなく、タイトル通り利他について書かれた本です。

この本のキーワードは「思いがけず」です。
自分の言動が利他かどうかは未来で分かるもの。ということが書かれています。

「あの時、〇〇さんが言った言葉に助けられました」
「〇〇先生の言葉をふと思い出し、夢に近づくことができました」

なんという台詞を言われたとします。
感謝の言葉を言った人にとって、〇〇さんの言葉は金言だったのかもしれませんが、〇〇さんはそんなことを言ったかどうか記憶にない。ということがあったとします。
〇〇さんの言動は、結果として利他になっていますが、言葉を発した時は利他的かどうかは分かりません。
つまり、利他は相手が感謝の気持ちや役に立ったと思えて初めて利他だったと言えるわけです。

正しいことというのも実は利他と同様で、正論を発した本人にとって正しいかどうかは関係なく、受け取った側が感謝したり役に立っと思えたときに、初めて正論になりうるのではないでしょうか。

受け取り手側の気持ちを配慮せずに、ただ言いたいことを言う。
その内容がどれだけ正しかったとしても、結果的に受け取り手側がマイナスな感情を抱いてしまったり、恐縮してしまったりしまった場合に、正論を言う行為は正しくなってしまいます。
同じ内容なのに、〇〇さんの言っていることは受け入れられて、私の言ったことは受け入れられない!なんていう場合も、受け取り手側への配慮がどれだけなされているかに違いがあります。

逆に伝える側がどれだけ真摯に相手のことを考えいても、受け取り手側が頑なに拒否している状態では、同じ伝え方でも伝わる質や量は変わってくるので、難しさはあります。

正論は内容は正しいのかもしれませんが、コミュニケーションとして足りていない。言い回しだったり、説明の過多だったり、態度だったりで正論が相手にとっても正論になりうるか、反発されたり受け入れらないと思われてしまうのか。

自分は間違っていないや正論だけを言ってしまうのって、結局は自我を満足させているだけということも多いのではないかと。

そして、この傾向は能力が高い人にも見られる傾向だなと。
つまり、能力は高いけれど協調性に欠けると判断をされてしまう人。

グーグルなどが採用条件に能力よりも協調性を重視する。能力の高い人は外部で雇えばいい。という考えになっているのも納得だなと。協調性が高い、人に歩みを合わせながら歩いていける人の集まりの方が、物事はうまく進みますし、職場でのストレスも軽減されます。

正論を振りかざす人を見ていると、裏に自分は正しいという雰囲気が見てとれます。自分が正しいと思っている人は、自分以外に間違ったものがあると無意識に思っている人です。

人と人の間にあって「人間」になれる。

正論を振りかざす行為は、まだ人と人の間にいないだろうなと。
言い方はアレですが、幼稚な感じがしてしまいます。

子供を育てていると、言い方一つやこちらの雰囲気で受け入れるか拒否するかがはっきりと変わります。いわゆる正論を振りかざすような態度で高圧的にならず、子供を納得させるのはめちゃくちゃ大変ですが、子供を授かったご褒美だと思って、相手を心地よく動かす方法を学ばせてもらっています。

私はこれに40代で気づくという、かなり遅い気づきではありました。
私よりも若い方は、おそらく協調性や自我を薄めるということが社会で成功する秘訣であると思うので、意識して生活していただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございます それだけでとても嬉しいです ただ読んでくれただけで イヤ本当に読んでくれただけで十分です 本当に嘘じゃないよ