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【備忘録】FEエンゲージのイルとペルソナ5の明智って(※ネタバレ有)

※ふせったーで書き散らしていた文章の再録です


設定は似てるけど、在り方は真逆だと感じる。
イル(ラファール)は自分自身を求めて、明智は他者を求めた。

ラファールは主体的・能動的で、明智は客体的・受動的。
邪竜を継ぐ、父親の仇を討つっていうのは口実で、ラファールが本当に欲しかったのは自分の力、自分の人生。
自分の力を示す、自分の存在を知らしめるというのは口実で、明智が本当に欲しかったのは父親からの愛。

なんでこうなるんだと考えて、やっぱり愛された経験の有無かな~と。
ラファールはイル(本物)と苦楽を分かち合ったし、魂の部分では姉のエルを慕って、エルからの愛情もちゃんと受け取っていたんだと思う。

だから能動的に大暴れしてラスボス化したし、世界を滅ぼす結果になっても欲しいものを手に入れたし、1000年の孤独にも耐えたし、リュールと愛し合える(世界を守る竜になれる)可能性を持てたし、父親を超えられた。

私はどうしても明智を、ジョーカーと対になる存在だと思えなかった(シナリオでそんなこと言われてたけど)

P5のテーマのひとつである社会への反骨精神云々以前に、愛情に飢えたかわいそうな子どもでしかないから、同じ土俵に立ててない。対等じゃない。
そんな状態で舞台に無理やり上げられて、1000年前のリュールばりにおとうさまのおにんぎょうとして生きて、そして死んでいった……それが明智の在り方だと思う。

もっと早くジョーカーや怪盗団のみんなと出会って愛情を知っていれば、父親の呪縛を自ら断ち切る未来もあったかもしれない。
でも、そうはならなかった。だからこの話はここでおしまいなんだ……。

P5Rの3学期でやや面目躍如した節はあるものの、非実在的なアレだし、おまけに丸喜先生が「もうひとつの正義」を掲げて立ちはだかったしな……。このポジションを明智くんに渡してあげてよぉ!
しかも結局丸喜先生も愛ゆえのやつだし、やっぱり明智は設定の段階で詰み。

作り手がどこまで意図しているかは作品ごとに違うけど、人間の本能として「愛情を知る者は自力でやり直せる可能性がある・知らない者は難しい」という認識があるんじゃないかな。
世間にたくさんいる魅力的な裏切りキャラは、おおまかに「自分か他者か」どちらを求めているかで二分される気がする。
私はどっちも大好きです。

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