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茶島さんの2023年が開幕、ぼくは長期離脱(vs湘南ベルマーレ)

 茶島雄介さんの足もとで、コントロールしたボールがキュッと横回転してからピタっととまった。この光景を見たかったんだ。高熱にうなされながらもぼくは感動に打ちふるえた。

 湘南ベルマーレ戦は、寝室のベッドの上で観た。金曜日くらいから寝込んでいて、正直サッカーどころじゃなかった。この日も目がさめたとき、何の気なしにTwitter見たらお昼すぎからゲームがあることにまず気づくような状態。もうろうとしながらもスタメンを確認。するとラインナップに25番さんのお名前が!? こいつはイチ大事だ。すぐに跳びおきた。あわてて毛布何枚かつみあげ、そのうえにまくらをナナメにおき、上半身をおこして観戦。

 しかしついにきたか茶島雄介さん。スタメンは想定外だったなァ。横浜FC戦の時点で柏好文さんスタメンは予想してた。でも両サイド、サイズを気にせず起用するこたぁねえだろとおもってたんですよね。びっくり。

 なんにせよ出してくれるっていうのなら好都合。発熱で意識がもうろうとしようと、悪寒でからだがふるえようと、ぼくのやるべきことはシンプル。茶島雄介になったつもりでゲームを観るだけ。

 ただ、ひさしぶりなもんでそのひとつひとつのプレーのたんびにど緊張してしまった。しくじったらどうしよう。うまくいかなかったらどうしようとハラハラしっぱなし。せっかくのチャンス、監督・コーチの覚えがわるくなるのだけは避けたいじゃないですか。だから1本目のコーナーキックがけっこうな勢いでファーにながれていったときには、サァッと血の気がひいた。

 でも茶島さんは、ぼくみたいにハラハラなんかしてなかった。コーナーキックを2本、3本と蹴っとばすうちに、微調整をほどこして修正。最終的には味方のアタマにすいよせられるようなボールが飛んだ。スキッベさん「キッカーかえよう」っていわないでいてくれたのもおおきかったなあ。ノドもとあたりまでは出かかってたとおもうんだ。でも信じてくれた。ありがとうスキッベ監督。「メンバーリストに名前ねえとはどういうことだ」と陰口たたいてホントにすんませんでした。

 全体的に手ごたえはアリ。「パスうけられるよ」ってメッセージも明確にだせてたとおもうし、コントロールもバタつかなかったから、味方もこっちにボールをあずけやすかったはず。パス出したあとも、内に外にいろんなコースに走ってパスコースを提示できたし、逆サイドにボールがあるときは、真ん中のポジションの選手と関係がきれないよう注意した。そしてクロス。締まったボールをペナルティエリアにむかってけっとばせた。

 会心のプレーは前半3分30秒かな、茨田選手のフィードをはねかしたヘディング。背中のつよいひとのはねかえしかたをやれた。すこしキャプテンの面影が見えたのもポイント高め。結果としてあれでノれたとおもう。

 もちろん心残りはある。柏さんのクロスをゴールしたかったなあとか、スライディングタックルとかもバシっときめたかった。でもゼイタクはいってられない。まずはピッチに立てたこと。これをよろこぶべきだ。なにせやっとこさ2023年が開幕したのだから。いやはや長かったぜ。

 ゲームがおわると、うっとりした気分のまま、つみあげた毛布をかたづけて横になった。活躍した茶島さんのすがたをおもいだしながら、このからだの不調とたたかっていこう、そう決意して目をとじた。

 ……なんて、現実はそんなに甘くはなく。いい思い出をリフレインさせたところでしんどいもんはしんどくて。寝込んでから4日目。いまだ復調のきざしはナシ。みなさま、体調にはどうか、どうかお気をつけて。

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