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がんこな鮎川峻さんのゴールにおもいをはせる

 ちかごろは鮎川峻さんのことばかりかんがえてしまう。ルヴァンカップで藤井さんが23番のユニフォームをかかげていたのがよろしくなかった。あれからずっと鮎川峻さんのプレーを観たくて観たくてしょうがない。

 先日のホーム最終戦、松葉づえをつきながらスタジアムにあらわれた鮎川峻さん。お顔が見られてホッともした反面、なんだか松葉づえすがたしか見てない気もして、おちつかなくなった。あわててFC東京戦のゴール、塩谷さんのスルーパスからきめたヤツを観なおして、心をととのえる。だいじょうぶ、来年こそはやってくれる……!

 鮎川峻さんのなにがそんなにぼくをひきつけるのか。もちろんまずは小柄なこと。ぼくは自分がチビなので小柄(ぼく基準で身長170cm未満)の選手は無条件で愛することにしている。でも身長以上に鮎川峻さんのステキなのが、そのがんこさ。小器用にうまくたちまわりゃいいものを、意気地を見せてたちむかってしまう。そもそも小柄なのにFWやろうって時点で器用じゃない。そういうかたくななところが、ぼくをひきつけてはなさない。

 城福前監督に「10分でも20分でもゲームに出ればいい経験になるから」とウィングバックでの競争をすすめられるも「FWで勝負します」とつっぱねた話は、いま噛んでも味がする。のちのち折れた、なんて話もあったけれど、ことしまんまとFWとして開幕戦のピッチに立ちおおせたことをかんがえると、表面上とりつくろうだけの知恵はつけた、ということだろう。

 がんこさについては本人も自覚しているらしく「子どものころからそうだった」「(ひとからいわれたことが)かんがえと食いちがうと、態度に出ちゃったりとかする」とのこと。

 彼のそのかたくなな性分には、鮎川家のおしえがねづいている。"岐路に直面したとき、困難な方を選べ"。子どものころからがんこだった彼に、親御さんがどういうきもちでその言葉をおくったのかはわからないが「だったら小器用にはやれねえわな」とナットクせざるをえない。

 そんな鮎川峻さん、来年さらに困難な道のりがまっている。

 献身的で狡かつなナッシム・ベンカリファ。前線の起点になれるドウグラス・ヴィエイラ。ルヴァンカップMVPピエロス・ソティリウ。自分がいないあいだにあらわれたFW陣とのタフなポジションあらそいに勝たなくてはいけない。そのなかで愚直に真っ向勝負をいどむんだろうとおもうと、いまから胸がおどる。

 これは個人的な願望。もしポジションあらそいに勝って、ゲームに出たら、つぎのゴールはチャジさんからのクロスからにしてほしい。仲がいいのとはまたちがうのかもしれなけけど、ふたりはすこしちかい。ホーム最終戦でスタジアムをぐるっとまわるときも、ちかくにはチャジさんがいた。にわか茶島雄介主義としてこれは見のがせない。相棒みーっけた、である。

 ペナ角ちかくからのクロスにヘッドかなあ。マークふりほどいでドンッと。グラウンダーのをチョンっとさわってゴールするのもいいなぁ。でそれが関東開催のゲームだとなお最高だわ……。

 な〜んてことをここさいきんずっとかんがえている。最終戦、鮎川峻さんだけじゃなくチャジさんもいなさそうだけど、まァ、もろもろ来年へのおたのしみ、ということで。

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