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誰もが「ユーザー視点」を身につけられるように取り組んだこと

はじめに

人材会社でUXリサーチャーをしているharoppeです🍮
私の所属する会社では、2020年10月から非リサーチャーに向けて、簡単なユーザビリティテストであれば自走してできるようなプログラム、ユーザビリティテスト実習を提供しています。これまで企画職・データサイエンティスト・デザイナーなどが受講し、この12月で、第3期生が卒業🌸🎓🎄

ユーザビリティテスト実習とは?

「ユーザビリティテストをやってみる」を目的とした、3か月に渡る研修プログラムです。ユーザビリティテストの設計(シナリオ作成)、実査、分析(振り返り)を体験してもらいます。
※よりリサーチャーに近い動きを体験してもらう別コースも実施

集合研修⇄個人ワークを繰り返し、参加者自身の「気付き」を大事にできるよう、リサーチチームがコーチング形式で関わって進めています。
(「手厚い!」「これはお金払ってでも受けたいレベル...!」と言ってくださる方もいて感激😭)

実習の集合研修で使用した資料はこちらです💁‍♀️

第3期では、卒業生にもメンターとして入ってもらい、「教えることで、参加者と一緒に学びを深める」ことも体験してもらいました。

一度教わった立場から、教える立場にシフトすることによって、スキルをどんどん磨いていけるような仕組みに変えていっています。

第3期の参加者に「ユーザビリティテストをやってみての気付き」を聞いてみました!

💻エンジニアAさん
Aさんは、UXデザイン領域に興味があり、これまでの社内勉強会も複数出席、今回、よりリサーチへの理解を深めたい!と参加。
実際にユーザビリティテストをやってみた気づきをまとめてくれました!

スクリーンショット 2021-12-12 15.53.32

👩‍💻Aさん振り返り
「操作観察は画面上から確認できるが、なぜその動作(操作)をしたのかという心理はその場でしか確認ができない」とUXリサーチャーの方が仰っていたのが印象的でとても記憶に残っています。

そして、何よりも常にユーザーを意識していました。インタビュアーが発する単語一つにも、ユーザーを意識した言葉選びが重要で、「そこまでユーザーを考えるのか」と思ったのを覚えています。
インタビューのコツも当然あり、それらも技術として学びましたが、何よりこの実習で学んだのが「ユーザーに対する姿勢」だと思います。どんなにテクニックやノウハウを勉強しても、ユーザーの心理を的確に拾っていくには、ユーザーへの向き合い方がとても大切なのだと。
その大切さは、実査実習でインタビューを受ける側を経験したことでも実感しました。ユーザーがここまでさまざまな感情を抱きながらインタビューをうけるものなのかと思い知りました。(もちろん個人差もあるとは思いますが)そういった心理的不安を抱えたユーザーですから、インタビュアーの発言や行動一つがその後のインタビューに与える可能性は無視できませんし、慎重になるのも頷けました。

ユーザーは字のごとくサービスや製品の利用者です。サービスや製品を作る立場として、改めてユーザーを意識し、向き合っていくことの大切さにも気付かされた3か月でしたので、この気付きを今後に大いに活かしていきたいと思います。

3か月にわたる実習で、リサーチャーという職業の奥深さや我々が意識していることが伝わっていて心から感謝するばかりです😭✨

第1期の参加者の方の記事や、実際にプロジェクトに生かした事例もあるので、お時間あればお読みください!

ユーザビリティテスト実習運営の裏側

ここまでお読みになって、「なぜ、こんなに手厚い実習を行うの?🤔」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

ユーザビリティテスト実習は、同じチームのシニアリサーチャーの強い想いから生まれたものです。

デザイン思考やHCD(Human Centered Design)の考えを取り入れてプロダクトを作るにあたり、まず一番にしなければいけないのは「ユーザーを知る」ことです。

ですが、UXリサーチまでできるデザイナーは少なかったり、ユーザーインタビューとなると外部に発注して完全に任せてしまったりするのが現状です。

もちろん、時間や経験がないことなど、さまざまな事情はあると思いますが、デザイナーが作ったものに対して、ユーザーからの意見を貰わないままにプロダクトを最後まで作り切ってしまうのは、とてももったいないと思うんです。

ユーザーの専門家として私たちリサーチャーがプロジェクトに入りますし、「生活者とは何か?」といった根本を考えるようなところは任せていただいて構いません。ただ「自分が作ったものを、ユーザーがどう思うのか」という目の前のプロダクトに対する問いは、最低限のポイントを押さえて全てのデザイナーが自分で探れるようになって欲しい、という思いがありました。

ーー『6名のデザイナーがユーザビリティテストを内製で実施できるようになった話』より

我々リサーチチームは、
「ユーザーが持つ課題を明らかにする力」をリサーチャーだけではなく、誰しもが持ってサービス開発に携わることで、より良いサービスを提供できると考えています。

サービス開発に関わるメンバー全員が、ユーザーの方を見ること。

ユーザー(顧客)>チーム>自分 というプライオリティを持って、日々の業務に取り組むこと。

新規事業開発に関わる立場だからこそ、ユーザーにとって価値あるサービスを世に出すことにこだわっていきたいと思うのです。
そのためには、組織の中に一人でも多く、「ユーザー視点」を取り入れて考えられる人を増やしていきたい。
そんな願いから、ユーザビリティテスト実習を運営しています。

最後に、第1期生の方がこの想いを受け取ってくれたコメントをご紹介したいと思います。

"リサーチの知識をみんなが持っている組織と、そうでない組織とでは圧倒的にアウトプットが異なると思うんです。
企画を考えるにしても、企画のメンバー以外にデザイナー視点・エンジニア視点が必要だということはよく言われますよね。

UXリサーチの領域でもそれは同じで、専門のリサーチャーの他に、リサーチの知識をもつデザイナーがいれば「この視点でも見ていただいたらどうですか」と提案ができます。

そういった多角的なアプローチが、結果的にUXリサーチの、ひいてはプロダクトの品質を高めるはずなので、私自身もその視点を持ちたいと思います。"
ーー『6名のデザイナーがユーザビリティテストを内製で実施できるようになった話』より

お読みいただきありがとうございました!

こちらは、メルペイでUXリサーチャーとして活動されているみほぞのさんの呼びかけにより寄稿したアドヴェントカレンダー記事です。
私の他にも、リサーチに関することが色んな角度から書かれていますので、この先もどうぞお楽しみに!🎅🎄
そして、皆様良いクリスマスをお過ごしください🔔✨💖


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