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NHKスペシャル 冤罪の真相 「他にも冤罪作りそうな奴はいる」

NHKスペシャル録画で視聴
世界を駆け巡らない、VIVANTじゃない
公安警察の実録です

興味深いドキュメンタリー

公安警察の内部告発をベースにした、
冤罪の真相をかなり細かく描き、
報道すること自体が珍しい

内容は
警視庁公安外事一課第五係が暴走して、
製品仕様や規制の捏造、曲解を繰り返し、
罪なき人を逮捕、長期勾留、
うち一人は拘置所で病気で亡くなった
公安内部告発もあり、検察は取下げ
捜査担当者が「捏造だ」と裁判証言した
というところが番組の骨子

コロナ前のこと

逮捕時期はアメリカの対中経済戦争(ファーウェイとか)の話が出始めた頃と一致していて、
背後でチャイナバッシングの一環として
上層部含めた宣伝的な情報活動としての
国家としての判断もあったのだろう
その意味では公安部長も知っているはず

同時期、取引先の工作機械製造会社で
こんな話を聞いた
「軍事転用輸出対策で、ウチが作った機械が世界のどこにあるかトレーサビリティしたい」「経産省が気にしている」と微妙な表現だった
こんな地方の機械メーカーでそんな話?と思ったのを克明に覚えている

ちょうど大川原化工の事案で、公安と経産省が立件に向け談合していた時期
なるほど、という感じ
逮捕前に、特殊な輸出工作機械の業界では早い時期からこの事案は知られていた
ということになる

評価、成果、昇進

結局のところ、公安組織において
30歳前後の精鋭と
50代後半?ノンキャリア係長との
断絶、確執があり、
あるべきガバナンス(正しいこと)に基づくマネジメントの喪失
が最も気になった

問題の係長は、立場や組織の維持
=このままいくとあなたのポストなくなるよ的なプレッシャーをかけられたのだろうか?
定年までに評価を上げ昇進するために
結果が必要となったのでは?と、
部下は冷静に裁判で証言

どうやら公安警察とは言え、
ノンキャリア向けに成果や評価は
警察の他部局と同様で、
昇進のためには成果が必要で、
違反切符を切るように、
「公安事案としての逮捕」が
組織としての評価に据えられているらしい

「他にも冤罪作りそうな奴はいる」

そもそも何故公安が警視庁という一地方自治体の警察組織においてあるのか?
簡単に言えば、戦前の特高警察の組織を踏襲したからというところだろう
役割としては各国にある情報機関に相違ないが、
警察にあることで「逮捕権」を持っているところが、島国にっぽんらしい
やる気になれば、逮捕権を濫用し、公安事件として幾らでも逮捕できる

本来内閣調査庁の直下独自組織で良さそうだが、
警視庁に1000名も公安職員がいるらしく全国で言えば、たぶん4-5000人は公安活動に従事しているのだろう
この人たちが皆、違反切符と同じ評価軸で動いているのだとしたら、
「他にも冤罪作りそうな奴はいる」
という内部告発者の証言は腑に落ちるし、おそろしい

国に情報機関は必要悪だろうが、
組織のあり方、特にノンキャリアのマネジメントのあり方を見直すべきだろう

さらに、コロナ前とコロナ後で、
世界は変わったのは間違いない
約2-3年組織内のコミュニケーション、プレッシャーが緩んだために
「職業における正しくないこと」が表に出てきている

世代の断絶や組織ガバナンスの揺らぎをどう修正していくのか?
課題は人のあり方の根底部分にある
大きな一石を投じた、内部告発者やメディアを称えたい

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