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【社労士が解説】正しく理解するパート・アルバイトの130万円の壁問題

人手不足なのに年末の繁忙期にパート・アルバイトにシフト調整されて困っている経営者様へ

いつもは11月・12月にシフトを調整しているけど、今年はいつも通り働いても社会保険の扶養のままで大丈夫?

結論からお話すると、あくまでも人手不足による残業が増えて、130万円を超えた場合です。雇用契約書通りに働いて、年収130万円を超えるような場合は、本来は社会保険の扶養から外れて、ご自身で国民健康保険と国民年金に加入することになります。
被扶養者の認定・確認については、令和2年4月10日に厚生労働省保険局保険課が通知した「被扶養者の収入の確認における留意点について」において以下のように示されています。


ポイントは一時的な収入増加がどうか

・今後1年間の収入を見込む際には、例えば、認定時(前回の確認時)には想定していなかった事情により、一時的に収入が増加し、直近3ヶ月の収入を年収に換算すると130万円以上となる場合であっても、直ちに被扶養者認定を取消すのではなく、過去の課税証明書、給与明細書、雇用契約書等と照らして、総合的に将来収入の見込みを判断すること。
・確認に当たり、被扶養者認定を受けている方の過去1年間の収入が、昇給又は恒久的な勤務時間の増加を伴わない一時的な事情等により、その1年間のみ上昇し、結果的に130万円以上となった場合においても、原則として、被扶養者認定を遡って取り消さないこと。

 そのため、これまでも一時的に収入が増加し、年収が130万円以上となったとしても、状況によっては被扶養者資格は認定・確認されていました。

申請に必要な「一時的な収入変動」に係る事業主の証明書

 今回の年収の壁対策では、この認定・確認が円滑にされるように、「被扶養者の収入確認に当たっての「一時的な収入変動」に係る事業主の証明書」の様式を厚生労働省が示し、この証明書に基づくことで、被扶養者資格の認定・確認を円滑に行おうとするものです。

 ただし、最終的には各保険者において雇用契約書等も踏まえつつ、収入の増加が一時的なものかどうか確認されることになるため、事業主の証明書があれば必ず被扶養者資格は認定・確認がされるものではありません。

被扶養者の収入確認に当たっての「一時的な収入変動」に係る事業主の証明書

参考リンク

 法令等データベース「被扶養者の収入の確認における留意点について(令和2年4月10日)」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc5007&dataType=1&pageNo=1
厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/taiou_001_00002.html
厚生労働省「事業主の証明による被扶養者認定に関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/content/001159347.pdf

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