「なんで?」(原因が知りたい場合)

コミュニケーション、コーチング、心理学などを学んでいる身として、

身の回りで「あ〜それ、もったいない!」と感じる声かけがとても多くあります。

というか、日々そういう声かけで溢れています。

なぜ私がもったいないかと思うのかというと、言っている方は全く悪気がない。

でもその声かけひとつ少し変えるだけで、関係性が劇的に変化する。

また、全く違うものを相手から引き出すことができる。

コミュニケーションはそんなものがとても多いからです。

他人の夫婦間でのやりとりを見ていても「それ、言っちゃったのか・・・」、

子どもに対しても「あ〜その声かけちょっとマズくないかな。。」

というタイミングがとてもよくあります。


・・・と言っている自分ができているのかと言われると、「・・・。」ですし、主観も多々ありますが(笑)

ここでご紹介する話はコミュニケーションを学ばれている方、自己啓発や子育て本を読まれている方にとっては、

耳馴染みのあるものも多いと思います。

そんな方にも、私の身の回の実例からもう一度ご自身の人間関係に当てはめて、

考えていただく機会になると嬉しいです。


・・・ということで、これから気づいたタイミングでゆる〜く書いていきたいと思います。


さて、今日の『もったいない声かけ』。

まず第一弾は、「なんで?」

私は仕事柄子どもと関わる機会が多いのですが、

無意識に大人が子どもに聞いてしまっている「なんで?」。

これがものすごくもったいない、と日々感じています。


子:「宿題できなかった」

大:「なんでできなかったの?」

子:「・・・だって・・・疲れてたし・・・学校でも運動会の練習でいっぱい外に出て・・・(モゴモゴ)」


コーチングでも「なぜ」の質問は多用しないほうがベターなのですが、

子どもへの関わりも同じです。

ここからは一般的なシチュエーションを想定して、

私だったら、という前提でお話しします。

(コミュニケーションに常套手段・正解はないですし、状況や関係性ももちろん関わってくるので)


私だったら、一般的に子どもが「宿題ができなかった」と言ってきたら、

まずは「宿題、できなかったんだね」と受け入れた上で、

「何があったの?(ニュートラルに)」と聞くでしょう。

なぜ、「なんで?」ではなく「何があったの?」なのか。

※その前の「まず受け入れること」もとっても大切ですし、「ニュートラルな状態で聞く」ということもとても大切です。が、一旦ここではその説明は割愛します。


基本的に「なんで」の声かけを全否定するつもりは全くありません(笑)

ただ、「なんで」、つまり原因追及の役割を持つ「Why」の質問は、

相手が責められるように感じたり、言い訳を引き出してしまうことが多々あるのです。

特に普段の関係性で「責められる」と相手がよく感じている場合、

(親子関係でも多いと思います。「また怒られる」という状況ですよね。)

原因を自分で探るという自己探究よりも、どう相手に責められないような回答をするか、という相手目線の答え探しになってしまいます。(これはあくまでも私の印象です。)

悪く言うと、こうなってしまっている時点で、子どもが自己探究をして自分で問題解決をするような思考をするチャンスを奪ってしまっています。

(「なんで」という言葉自体に、言霊とでも言うのでしょうか・・・なにかこう、責めるようなネガティブな原因を探したいような、そんなエネルギーが少し含まれることが多いように思います。)

コーチングセッション内では、どれだけ相手が自分の中の答えを探しに行けるかが重要ですが、

子どもとの関わりにおいても、私は同じように感じています。

子どもが「大人がこれを聞いてどう思うか」ばかり意識して話すようになると、

その子は自分を見ているようで、見ていません。

大人に怒られないような答えばかり探して、結局自分で問題解決ができなくなっていくのです。

これはかなり飛躍して大袈裟な話にも聞こえますが、日々の大人の声がけは子どもの思考回路を左右します。

そして、子どもがどの方向性にエネルギーを注いで思考していくかにとても大きな影響を与えていると思います。


話を戻します。

「なんで」ではなく「何があったの?」と聞くこと。

これで返ってくる答えは、先ほどと同じかもしれませんし、違うかもしれません。

ただ、答えている子どもの頭の中の状態やエネルギーは少し違っていることが多いでしょう。


子:「宿題できなかった」

大:「なんでできなかったの?」

子:「(また怒られる、どうしよう、何て言おうかな、なんて言ったら許しててもらえるかな・・・)・・・だって・・・疲れてたし・・・学校でも運動会の練習でいっぱい外に出て・・・(モゴモゴ)」


子:「宿題できなかった」

大:「宿題できなかったんだね。何があったの?

子:「(えーと・・・何があったんだろう・・・)昨日は疲れてたな。運動会で練習したから眠くちゃったんだったな・・・いや、それというよりも友達と遊びたくておうちに帰るのが遅くなっちゃってたな・・・。」


少し、起こりうる違いについて、イメージを持っていただけましたか?

今日は子どもに、どいうことを書きましたが、もちろん大人への声かけも同じです。

また、単純に言葉の選び方だけではなく、ニュアンス、雰囲気、状況などなど、左右される項目が多いじゃん!と気づいてくださった方も多いと思います。

かなり単純化して書いてしまったので、一言変えるだけで全てがうまくいくわけではもちろんないかもしれません。

ただ、同時に言葉一言が相手に与える影響、引き出せるものが大きく変わるのも事実です。

今日は、まずお伝えしたいことのエッセンスが伝わっていたら嬉しいです。


少し振り返ってみてください。

夫婦間で、家族で、仕事で、こんな声かけをしてしまっていませんか?

もしも何か責めたいようなことがあったら、

「なんで?」と聞きたくなるのを一度ぐっとこらえて試してみてください。


相手:「〜できなかった。(〜してしまった。)」

あなた:「〜できなかったんだね。(〜してしまったんだね。)」

相手:「うん。」

あなた:「そっか、何があったの?」




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