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5年越しで成った蜜柑に思うこと

蜜柑が成った。

我が家の庭に、母が植えてくれた蜜柑の木がようやく今年、成った。実に5年。蜜柑って普通どのくらいで実をつけるのか…よく知らないけども。「たぶん、3年くらいでできるぽいよー」と母から聞いていたことを考えると、いささかのんびりな蜜柑くんだったようだ。

いや、そもそも肥料も何もやらず剪定もせず、ほぼ放置な育成方法だったことを思えばよく実をつけたとほめるべきか。

一個もいで食べる。形はゴツゴツして格好が悪い。皮も分厚くて酸っぱい。けど、この野趣溢れる味が、また手作りぽくていい感じやーと嬉しくなった。

蜜柑を眺めて思う。あー時間が経った、と。

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そもそもこの蜜柑、2017年の我々家族の中国渡航を前に、母が「元気でまた帰ってくるように」と植えてくれたものだった。「あんたらが帰ってくる頃には実がなるやろう。思い出の木やで。」と。

イレギュラーなコロナ案件で帰国の時期が少しばかり早まり、帰国してほぼ2年経ってようやく味わうことができたんだけど。実がなってよかった。

さてさて。

夫の本帰国も昨年叶い、私たちは今年の春、次なる勤務地へとまた居を変える。変化の前はやっぱり少し怖いし、寂しい。

5年前、新しい生活を前にしたときも、同じように不安だった私。なんせ異国だし。子どもはまだ小さいし。でもきっと楽しい日になる、そんな時間にする!と決めて行って、事実、決めたらそうなった。

いろんな人に会って、いろんな場所に行った。いろんなもん見て、びっくりしたし感動した。娘は日本語以外の言葉を話す人が世界にはたくさんいることも体感として知っている。私たち夫婦も、リアルな中国を知れて、好きになれた部分もあるし、相入れない部分があるってこともわかった。完全に好きなだけ、ではたぶんない。けどそれでいいとも思う。

5年経って、たくさん成った蜜柑はそのまま、5年間の私らの経験の実でもある、気がする。(書いてたらそんな気がしてきた)

蜜柑を眺めて思う。これからの5年も、楽しい日になる、そんな時間にする!と。

次の5年で成る実は、どんな味がするかしらん。


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