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川崎区 実証実験の取り組みについて

こんにちは!harmoワクチンケア 広報担当の北畠です。

まずは、harmoワクチンケアが初めて実証実験を開始した川崎区の取り組みについて、簡単にご紹介します!

harmoの創案者である福士 岳歩が語る“harmo誕生のストーリー”でも述べていますが、母子手帳は紙で交付され、アナログ管理のため人的ミスが発生しやすく、年間に何千件もの予防接種の間違いが報告※されています。

赤ちゃんにも、パパママにも、安心して予防接種を受けてもらいたい、そういう想いからharmoワクチンケア(医療従事者向けアプリ)の開発が始まりました。
※予防接種の接種間違いは年間約7000件の報告があります。
(参考:https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000553930.pdf

私たちの想いに賛同し、本アプリの開発に医療従事者目線で協力してくれているのが、川崎市立川崎病院小児科担当部長の楢林 敦先生です。
自ら、ワクチンの接種間隔など、自動でチェックするシステムを開発してしまうほど、接種間違いをなくしたい、という強い信念をもっています。
 
私たちは、2020年6月より、慶應義塾大学と共に川崎区で実証実験を開始いたしました。こちらの実験は、楢林先生が責任者をしており、川崎区周辺の小児ワクチン接種を行う全32の内科・小児科に本アプリを設置し、接種間違い数の有意な減少を目的としています。
(実証実験の詳細:https://www.cmicgroup.com/news/20200601

現在までの実績(2023年1月末時点)
実証実験参加者:1,515人(カード保持者262人、シール保持者1,253人)
データ登録人数:1,424人
データ登録件数:24,609件

約2年半の実証実験を経て、本アプリの魅力やメリットについて、楢林 敦先生にインタビューしました!是非ご覧ください。

<画像右:川崎市立川崎病院 小児科 担当部長 楢林 敦先生>
<画像左:harmo株式会社 代表取締役 副会長 福士 岳歩>


Q1. harmoワクチンケア(医療従事者向けアプリ)の魅力はどのようなところでしょうか?

楢林先生:
「harmoワクチンケア」は、よくある予防接種アプリとは異なり、医療機関用タブレットで登録した情報が保護者の方のスマートフォンアプリに自動反映されるワクチン記録システムです。

川崎区の実証実験では、まだ1度も予防接種を受けていない生後1ヵ月のお子様にharmoカード/シールを発行し、それを母子手帳に貼付してお渡ししています。

生後2ヵ月以降、予防接種で地域内の医療機関を受診された際にカード/シールを医療従事者向けタブレットアプリで認証し、医師や看護師はバーコードリーダーでワクチン情報をスキャンします。この2ステップだけで、チェック機能が作動し、接種間違いを未然に防ぐことができます。

接種実施後、医療機関で登録された接種記録は保護者の方のスマートフォンアプリに自動で連携※するため、アプリへ手入力で登録する作業が不要です。
※保護者の方が使用されるスマートフォンアプリは今後提供予定

<harmoカード/シールを貼付した母子手帳>
<バーコードリーダーでワクチン情報をスキャンし、チェック結果を確認している>

Q2. どういうときにメリットを感じますか?

楢林先生:
医療従事者向けタブレットアプリで過去の接種記録や当日接種可能なワクチンを一覧で確認できることは便利ですね。

また、乳児期は複数のワクチンを同時接種することが多いのですが、バーコードリーダーでワクチン情報をスキャンすると、全てのワクチンの接種可否判定結果がタブレットに1画面で表示されるため、その点も非常に助かっています。目視確認に加えたチェックができるので、安心して接種できることはメリットに感じます。

<本日接種可否一覧>
<ワクチン情報をスキャン後の接種可否判定結果>

■さいごに

楢林先生へのインタビューでは、「便利」「安心」という言葉が何度も出ていたのが印象的でした。

川崎区では、お子さまの個人情報を、母子手帳に貼ってあるカードやシールに登録しており、接種当日に、それらを医療機関タブレットにタッチして個人を認証しています。

実験開始前は、カードのみを使用する想定でしたが、万が一持参を忘れたら個人認証ができず、接種情報が登録できないというリスクが浮上しました。
「どうやったらカードの持参忘れを防げるか」という課題について楢林先生とharmoのメンバーで協議を重ね、「そうだ!ICチップが入ったシールを用意して、母子手帳に貼ってしまえば忘れないし、落とさないね!」という流れでシールの採用が決定したそうです。

ユーザーはアプリを提示することなく、母子手帳に貼ってあるシールのみで認証医療機関側はユーザーの接種歴や接種可能ワクチンのデータを一覧で表示される仕組みは、とても便利ですよね。

今後川崎区では、保護者の方にスマートフォンアプリの紹介を勧めてまいります。
ユーザーがアプリをダウンロードしている場合は、医療機関で登録した接種記録がスマートフォンアプリに自動で連携するため、手入力が不要なことも利便性が高い点です。

赤ちゃんを抱っこしながらアプリに情報を手入力することは、保護者にとって手間がかかるものですよね。医療機関が登録した正確なデータが自動連携される仕組みは、必要とする人も多いのではないでしょうか。

「安心」の面では、例えば「接種間隔のチェック機能」が挙げられます。医療機関側は、接種時に入念な確認が必要でしたが、「harmoワクチンケア」ではシステム上で接種が可能かどうかを瞬時に判断できるのです。
これは、医療関係者、保護者の双方へ大きな「安心」を提供していると自負しています。

予防接種の間違いによって、マイナスな感情を抱いてしまう人を一人でも少なくし、安心・安全に予防接種を受けられるように、私たちはその仕組みづくりに取り組んでいます。

◆川崎区の医療機関とharmoワクチンケアとの関わり

harmo ワクチンケアには、ワクチンを接種した方が使用する「一般ユーザーアプリ」と医療機関で使用する「医療従事者向けアプリ」の2種類のアプリがあります。

「医療従事者向けアプリ」は、「一般ユーザーアプリ」と連携することで、そのユーザー情報をもとに接種可能な年齢であるかどうか、接種間隔が適切かどうか等のチェックを行い、接種間違いを未然に防止する機能を備えています。

2020年6月より、慶應義塾大学と共に実証実験を開始しており、川崎区周辺の小児ワクチン接種を行う全32の内科・小児科にharmoワクチンケアを設置し、接種間違い数の有意な減少を目指しています。

実際に接種間違いの防止事例も検出されており、参加医療機関の先生方にも本システムの有用性を感じていただいています。

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