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【harmo(ハルモ)ワクチンケアの特長】二次元コードで情報転送する仕組みを解説

今回は、harmoワクチンケアで取り組んでいる技術のである「二次元コードによる情報転送技術」について、福士岳歩にインタビューしました。どのような技術か、その背景も含めて解説していただきました。

―――現在開発している技術について教えてください。また、開発した背景や課題はなんでしょうか。

harmoワクチンケアでは、患者さんの情報を医療機関の電子カルテシステムに転送する技術を開発しています。この技術を開発した背景には、いくつかの課題がありました。

・記録の転記が手作業
ワクチン接種の際、これまでは保護者が母子手帳を医療機関に持っていき、医療事務さんなどが手入力で電子カルテに転記していました。この手作業には時間も手間もかかりますし、人が行う作業ですので転記ミスなどが発生する可能性もあり、間違えないように入念な確認が必要で、医療従事者に心理的負担もかかっています。

・医療機関内のシステム間連携が不十分
上記のように情報が手入力され、ある1つのシステム上で電子化されたとしても、それを医療機関内の他のシステムに転送することができないケースがほとんどでした。

医療従事者は、医療機関向けharmoワクチンケアで表示された患者さんの接種情報を電子カルテなどに取り込むみたいと考えるケースが多いです。しかし、harmoワクチンケアのシステムと電子カルテのシステムを連携させるには、2つのシステム間で出力や入力の条件をそろえる必要があります。こういった場合、連携する機能を開発しなければなりませんが、開発に要したエンジニアの工数は誰に請求するのか、という課題がありシステム間の連携ができないままになってしまうことが多いです。

最近は、インターネットを経由してシステム間の連携をスムーズに行うAPIのような技術も進んでいますが、とりわけ医療機関内の電子カルテなどは、特に個人情報を多く含むため、セキュリティ対策としてインターネットに接続しないケースもあります。

そこで、インターネットを介さずに情報を転送できる仕組みを考えました。

医療機関向けharmoワクチンケアのシステムから、医療機関で使われている電子カルテに情報転送できる技術です。

フローはこちら

―――どのような仕組みでしょうか。

あらかじめ転送したい情報を選択しておくと、その情報を含む転送用の二次元コードが作成される仕組みです。この技術を使うと電子カルテシステムやPCの種類に依存することなく、所望の情報を所望のシステムに電子的に転送することが可能になります。

例えば、Aクリニックでは氏名・生年月日・ワクチンを打った日付・ロット番号の4つの情報を医療機関のシステムに入力しているとします。

その場合、その4つの情報が入った二次元コードを瞬時に作ることができるのです。表示される順番も医療機関のニーズに沿って組み換え可能ですので、医療機関単独で情報の連携を実現することができます。

―――今までそのようなシステムはなかったのですか?

今までにも、二次元コードで情報を読み込める仕組み自体はありましたが、例えば1つの二次元コードを作成するのに総開発費300万円、などのように多額の費用がかかりました。

仮にもう一つ情報を追加したい!などの要望に応える場合は、さらに2週間かかり追加で100万円、などのようにきりがない状況になってしまっていました。

そこで、ワクチンケアでは、素人でも使える簡単な二次元コード作成機能を開発し、誰でも二次元コードに入れるデータの種類や順番を決めることができるようにしました。

具体的には、最初に何の情報が必要か決めて、テンプレートを作成します。これによって接種する方が来院するたびに同じフォーマットの二次元コードが生成され、スキャンするだけで簡単に電子カルテへ情報を転送することができます。

さいごに

インタビューを通じて、医療現場における情報転送技術の重要性について理解することができました。手作業による転記の課題や、システム間の連携問題など、これまで医療従事者が直面していた多くの課題に対して、harmoワクチンケアがどのように解決策を提供しているかが明らかになりました。

特に、インターネットを介さない状況での二次元コードによる情報転送システムは、医療情報や、PHRと呼ばれる情報を共有し、治療や医学的分析に役立てるという未来に向けた大きな一歩だと考えます。

harmoワクチンケアは、今後も医療従事者の負担を減らし、患者さんの安全と利便性を高めることに繋がる仕組みづくりを目指します。

<harmoワクチンケア アプリ画面>


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