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【インタビュー】現場の声を活かすharmoワクチンケア

harmoワクチンケアでは、患者様向けのサービスとして、予防接種の情報を管理するためのアプリを展開しています。患者様ご自身がデータをアプリ内で確認できるだけでなく、医療機関に導入されている医療従事者向けアプリに連携できます。 

医療従事者向けアプリでは、過去の接種履歴などの情報を確認でき、さらにワクチンを接種する当日に、接種できるかどうかのチェック機能が働き、接種間違いを防いでいます。 

まず、2020年6月から神奈川県川崎市川崎区を中心に実証実験を始め、最近では北海道留寿都村や蘭越町、福岡県福岡市や久留米市にも実証実験の場を広げて活動をしています。世の中からワクチン接種間違いの問題を少しでも減らせるように、よりよいサービスを展開できるよう今後も取り組んでいきます。 

今回は、harmoワクチンケアを導入している小児科の医師にお話をお伺いしました。 

―――ワクチン接種の際、どの段階で本アプリを用いて確認しているかを教えてください。またフローの中で、本アプリはどのような役割を果たしていますか。 

 医師:harmoワクチンケアでの確認は、接種直前のタイミングになります。 

当院では、患者様が予防接種の予約を取る際、インターネットの予約システムで接種可能な月齢、接種間隔のチェックをしています。また、予約前日に看護師が患者様の情報と接種するワクチンの情報を確認するため、来院するまでにシステムと人の目のチェックが入ります。したがって、harmoワクチンケアは当日の「最終チェック」の役割を果たしています。 

―――あったらよいなと思う機能はなんですか? 

医師:患者様向けのアプリで、ワクチンごとに、どんな病気を予防する効果があるのかをわかりやすい表現で見られると良いと思います。 

予防接種には、沢山の種類があり、それぞれ接種対象年齢や接種間隔、接種回数が異なります。保護者の中でも、詳細をよく理解できず、先生や病院にお任せする方もいますし、ちゃんと勉強される方もいます。勉強される方に関しては、具体的にどんな病気を予防するためのワクチンか、副反応に熱が出るのか、などの説明をしています。 

例えば、麻疹・風疹は流行ってはいないので、必要なの?と思われる方も少なくありません。しかし、麻疹はかかってしまうと本当に怖い病気なのです。どんな病気か理解していないまま予防接種を受けている現状があるので、より正確な情報を届けたいと思っております。 



―――
最後に、harmoに期待している部分はありますか? 

医師:接種間隔が長く空いてしまうようなワクチンについては、打ち忘れを防止するために「お知らせ」が届くような仕組みがあったら嬉しいです。ワクチンの接種って忘れてしまう方が多くいます。 

川崎市では、赤ちゃんが生まれてすぐ、0歳で受ける予防接種の問診票が1冊雑誌みたいに送られてきます。その後1歳になる前に、麻疹・風疹・水疱瘡のそれぞれ2回と追加接種分と、問診票が届くタイミングがあります。保護者はお知らせがあれば「接種しないと!」と思うのです。 

そのため、麻疹・風疹は3月に第2期分の問診票が送られるので、4月や5月は予防接種を受けに来られる方が多いのです。 

次回ワクチンを接種する時期ですよ、というお知らせがあると、保護者の方が忘れないでいてくれるのではないでしょうか。 

―――実はすでに、その機能は実装しております。B型肝炎の3回目ワクチン接種を打ち忘れる方が多くいらっしゃいます。1歳を過ぎると費用がかかってしまいます。そのため、弊社では3回目接種のお知らせをプッシュ通知で配信する取り組みをしています。 

🔔取り組みのテーマ:B型肝炎ワクチン3回目の接種日をお知らせ

前提としてB型肝炎ワクチンは、1回目、2回目の接種に関しては、だいたい生後2ヵ月、生後3ヵ月で接種するため、ほかのワクチンと同時接種する方も多く、忘れる方は少ないと思います。 

しかし、3回目に関しては「1回目の接種から139日以上あける」という決まりがあります。接種間隔があいてしまうので忘れてしまうのも仕方ありません。 

また、1回目接種から139日あいてないのに来院(予約)してしまう方もいらっしゃるようで、「今日は接種間隔の都合上、まだ接種できません」といったケースもあります。 

私たちは、いつから3回目の接種が可能なのかという情報を、適切なタイミングでお知らせすれば、接種忘れや接種日の誤認識を防止できるのではないか、と考えました。 

そこで、患者様向けアプリに、2種類のプッシュ通知を送っています。 

 (1)3回目接種対象者全員へ、接種可能日のお知らせ 
1回目の接種日から125日経過した日に、「〇月〇日から接種可能です」というプッシュ通知を送ります。これで日付を認識することができます。 

 (2)3回目接種忘れている方へのお知らせ 
生後10ヵ月目になっても3回目の接種登録がない方に関して、プッシュ通知を送ります。1歳を過ぎると自費(有料)になってしまう旨、アナウンスしています。 

なお、日本脳炎ワクチンの1期追加やHPVの3回目など、接種間隔があいてしまうものがあるので、ほかのワクチンにも展開していきたいと考えています。 

さいごに 

今までの予防接種管理アプリは、ユーザーが自ら手入力するものが一般的でしたが、harmoでは、医療機関用アプリを開発し、ユーザーアプリとのシステム連携を行っています。 

私たちは事業者としてただシステムを作るだけではなく、医療従事者や患者様等の声を何よりも大切にしています。今後、こどもへの支援の需要が高まる中、harmoのシステムがワクチンの接種間違いの一助に貢献できましたら幸いです。 

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