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【患者さんの声】アトピー性皮膚炎とともに生きる

物心ついた頃からアトピー性皮膚炎の治療をしていたという加藤拓也さん(仮)。
現在も対症療法を続けながら生活しています。
 
親御さんは、症状改善のためにさまざまな方法を模索し手を尽くしてくれましたが、
原因の分からない疾患ゆえの苦悩もあったといいます。
 
今回は、子ども時代から疾患とともに生きてきた加藤さんの、
疾患に対する想いやお薬との向き合い方など「疾患とともに育ってきた軌跡」について伺いました。

———疾患についてお聞かせいただけますか

アトピー性皮膚炎は物心ついた頃には発症していた記憶があります。生まれたときからですね。
 
子どもの頃は、治療のためにあちこちの病院に連れて行ってもらいました。内科も皮膚科も様々なところに行きましたし、子どもながらに「やれるだけのことはやってくれているのだな」というのは感じていましたね。
 
ただ、アトピーの治療は「対症療法」
病院を変えても、結局は塗り薬などが処方されるだけでした。
 
アトピー性皮膚炎というのは、原因がはっきりしないんです。原因がわからないから治療はいつも同じで、いわゆるステロイドの塗り薬でしたね。
 
ステロイドに対しては、周囲の方にも「あまり使いすぎると良くない」「副作用で余計に悪化する」などいろいろと言われ、心配していたようです。それもあってか「〇〇を食べるといい」「△△を飲むと改善する」といったことを勧められるままに試しましたが一進一退で。親は布団や家具などにも手を尽くしてくれたのですが、結局大幅に改善することはありませんでした。
 
アトピー性皮膚炎というのは、完治するものではなく症状と上手く付き合っていくしかないんです。

 「かゆみ」とともに過ごした子ども時代。それでも好きな運動は続けていた

―――どんな症状とどのように過ごしてこられたのでしょうか


症状としては、とにかく「かゆみ」です。
小学生のときは特にひどくて、鉛筆を持ちながら逆の手で常にどこかを掻いているという状況でした。
 
年齢を重ねるとともに少しずつ症状は落ち着いてきて、常にどこかを掻いているという状況ではなくなりましたが、痒みが完全になくなることはありません。今でも、仕事が忙しくなったり休養が不足するときなどは足や腕などが局所的に痒くなりますね。
 
しかも、僕は小さい頃から運動が好きで汗をかくことが多かったんですよ。
 
小学校で水泳を6年間、中学校3年間は剣道、高校時代3年間はテニス、大学では4年間自転車競技をしていて、日常的に何かしら身体を動かしていました。運動で身体があたたまったり汗をかくと痒みを強く感じるようになります。夏場は特に汗がたくさん出るので症状も出やすくて、運動後には必ずシャワーで汗を流すようにしていました。
 
運動は今でも続けていて、自転車で遠出をしたり散歩をしたりと、日々楽しんでいます。1日1万歩は歩いていますね。
 

―――疾患について感じていることはありますか?


子どもの頃はつらい思いもしましたね。
 
体を掻くと多かれ少なかれ皮膚が剥がれて落ちてしまうので、それをからかわれたことは何度もありましたし、口の悪い同級生からは心無い言葉をいろいろと言われましたね。
 
疾患のために仕方がないとはいえ、今であれば、僕自身ももう少し配慮するべきだったとわかります。周囲に人がいるという状況では、全ての人が疾患に対して受け入れられるわけではありませんからね。ただ、子どもの頃はそこまで考えが及ばずに、ただただ「きつい言葉だな」と思い、辛かったですね。コンプレックスにもなりました。
 
大人になってからは、周囲の人からの発言で傷つけられることは無くなりました。
ただ、疾患による皮膚の黒さというのが少なからずあり、今でも気にしています。日焼けによる黒さもありますがそれだけじゃないのは明らかですしね。「アトピー性皮膚炎という疾患がなければ、肌の色がもう少し一般的だったのかな」と思うこともあるので、コンプレックスなんですよね、きっと。
 

「本当はあまり使いたくない」薬とともに生きることとは

―――お薬との向き合い方について教えてください


 アトピー性皮膚炎の症状を和らげるためには、皮膚の保湿が欠かせません。
乾燥したら保湿、汗をかいたらシャワー後に必ず保湿、です。
 
保湿は塗り薬です。
いつでも保湿できるように、自宅にも職場にもそれぞれ保湿剤を置いています。
だいたい、朝・仕事の昼休憩・夜の1日3回は毎日使っていますね。
 
内服薬については、子どもの頃からいろいろと変えてきました。
現在は、花粉症がきっかけで処方してもらった薬でしたが、飲み続ければアトピーにも効果があると言われて以来、飲み続けています。
 
かゆみに効果があるように感じているので、毎朝起床時に飲むようにしています。

―――薬に関して困っていることはありますか


飲み薬に関しては、突発的に処方された飲み薬が残った時に、消費期限や薬の種類などがわからなくなることですね。風邪や体調不良で受診したときに処方される薬は、飲み切る前に症状が落ち着いてしまうと飲まなくなります。
 
次回も同じ症状が出た時のために捨てずに取っておくのですが、時間が経つと、いつもらったものなのか、どんな症状の時にもらったものなのかがわからなくなってしまう。中途半端に残った薬もきちんと分かるように管理しておけばいいんですが、なかなかきっちり管理するのは難しくて。
 
どんな作用があるかわからなくなってしまったものは、溜まりすぎたら処分するようにしていますが、いつもらった薬でどんな作用があるのかなど、手間なく記録できて簡単に確認できるようなツールがあれば便利だと思います。
 

―――加藤さんにとって「お薬」とはどんな存在ですか

 
僕にとって薬とは正直、「できるだけ体に取り入れたくないもの」ですね。
アトピー性皮膚炎の症状を抑えるために必要なので飲み続けていますが、本来ならばできるだけとりたくないものです。仕方なく飲んでいる、というのが本音なんです。

人生楽しんだもん勝ち。メンタルコントロールが重要

僕にとって生きることとは「楽しむこと」です。
人生は楽しんでなんぼだと思います。仕事も趣味も充実させて毎日楽しく過ごすことが目標でもあります。
 
一方で、ストレスを感じるとアトピーの症状は悪化するんです。心の状態がかゆみとなって表出してしまうので、メンタルのコントロールは結構大事なんですよ。現在は職場の環境が良いのでストレスを感じることはありませんが、自分が穏やかにいられる場所にいるかどうか、というのは重要ですよね。
 

家族を見守る安心感。離れて暮らす親の薬の管理にharmo

harmoは家族の薬を共有できる機能がいいですね。
現在は親と離れて暮らしていますが、たまに実家に戻ったときに親が薬を飲んでいたりするんです。たぶん、心配をかけたくないという思いで僕には受診したことを言わないのでしょうけど、子どもの立場からすると知っておきたいんですよね。今のところは大した薬を飲んでいるわけではないのですが、もしもこの先、もっと重要な薬が必要になることがあったら、親に負担をかけることなく内容が把握できる部分が安心だなと思います。

———貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。

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