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最近読んだもの・観たもの10

こんにちは。外資コンサルタントのあるぱか(@botchidana)です。
ここでは、自分に刺さったinputを備忘代わりに書きなぐっています。このnoteも10本目になりました。脱3日坊主は達成したのでとりあえず個人的な目標は達成。どこまで続くかなぁという感じですね。仕事ではこういう長文を書く機会が少ないので、細々と続けていきたいところ。それでは今週の読んだもの・観たものです。


読んだ/読んでいる(記事)

■バッタ先生の快挙

「バッタを倒しにアフリカへ」での作者 前野先生の続報。

バッタと言われて何を思い浮かべるだろうか。私は実家の小さな庭を思い出す。夏になるとバッタとカマキリをよく捕まえた。日本で割とかわいらしい印象のあるバッタだが、アフリカでは最強の害虫認定されているそうな。大量発生したバッタは、食物を食い荒らすらしく「蝗害」と名前まで付いてる。蝗害の原因となるサバクトビバッタだっていつも害をまき散らすような虫ではない。しかし特定地域で個体数が急増すると、群れを成して「群生相」に変異する。群生相のバッタは、過密による接触から、体は黒くなり、空も飛ぶようになる。完全に闇堕ち仮面ライダーである。また、食欲も増して、自分の体重と同じくらい食べる。最近でもアフリカの一部の地域で蝗害による非常事態宣言が出されたそうな。

そんなイカつい災害を防ぐため、前野先生はバッタの研究をしているわけだけど、学者のくせに(?)コミュニケーション能力がバカ高く、愛されるキャラクターゆえ一つ一つのエピソードが面白い。作者名が「前野ウルド浩太郎」になってるけど、これ確かアフリカで研究する際に、現地の研究所の所長に「~の子孫」みたいな意味合いで名前をもらったんだったけな。

そんな前野先生が、サバクトビバッタの交尾の生態を突き止めたのが最初の記事のお話。交尾の瞬間は空を飛んでるバッタも地上に降りてこざるを得ず、防除に非常に効果的な発見なんだとか。ブログでは、いつもの文章で面白おかしく書いているけど、これ飢饉を防ぐとかそういう意味では、めちゃくちゃすごい発見なのでは?と思っている。

これからバンバン論文出していくそうなので今後の発見に期待。


読んだ/読んでいる(本)


■宇宙に比べれば僕らはちっぽけ

2年くらい前から「三体やばくね…?」ってざわざわしていた中国発SF全5巻。今週どころか、このnote始める前くらいに読み終わったんですけが、読後のoh…って感じが強すぎて強制虚無モード。最近ようやくペラペラ読み返して少しずつ咀嚼している感じ。
以下ちょいネタバレ注意です

父を文化大革命で殺され、人類に絶望した中国人エリート科学者 葉文潔(イェ・ウンジェ)はある日、巨大アンテナのついた軍事基地にスカウトされる。そこでは、宇宙人との交信を試みていた。人類に絶望しきった文潔は「人類滅ぼしてくれ」的なメッセージを送信。そのメッセージを受信したのが、3つの太陽を持つ惑星で暮らしていた三体文明の宇宙人。母星の過酷過ぎる環境から、新天地に向け宇宙をさまよっていた三体艦隊は文潔に促されるまま地球侵略を決定。ただし彼らが地球に着くのは400年後。それまで地球文明の進化を妨害するために、最強のナノマシン「智子」を送り込む。そんな中、物理学者の自殺が多発。かつての恋人が自殺してしまった汪淼(​ワン・ミャオ)と、テロ対策部隊の警察官 史強(シー・チアン)が真相を探る。

……というのが『三体』第1巻のあらすじ。三体文明の送り込んでくる最強のナノマシンの絶望感がものすごい。地球文明の科学力では認識不可能。地球上のどこにでも現れることができて、あらゆる情報を傍受する。極めつけには地球上の物理実験を妨害し、人類が三体文明に近い科学力を持つことを許さない。絶っっっ対地球人勝てないじゃん…ってところで1巻は終わり。

2巻はもっとすごい。
科学力ビハインドかつ、最強のナノマシン「智子」で地球の情報はすべて三体文明に筒抜け。圧倒窮地に立たされた地球の切り札は「面壁計画(wall facer project)」。(名前だけでもうかっこいい…)三体文明のスーパーナノマシンでも頭の中身まで知ることはできない。そこで地球は全人類から選抜した4人の「面壁者(wall facer)」に全権委任し、三体艦隊への対応を考えさせることにした。4人はその真意や目的を明かすことなくお金を使うことができる。三体文明はこれに対抗する形で、地球人スパイの中から「破壁者(wall breaker)」を任命し、面壁者の思惑を見抜くことを命じる。

1巻の絶望をわずかな希望でひっくり返しにかかって、また絶望させられて~の2巻。2巻はとにかく面壁者と破壁者の応酬がアツい。全然本編に絡んでこない章北海(ジャン・ペイハイ)の圧倒的目的合理主義もカッコいい…

3巻はもうあらすじ語るだけでネタバレになっちゃうので、あらすじも割愛。ただ圧倒的エンタメSF傑作の2巻をはるかに超えるスケールで宇宙とか次元とかそれすらも超越した存在が出てきて、日々の仕事がいかに小さいか、悩むことすら馬鹿らしくなってくる。

人はみな死ぬ。地球もいずれはなくなる。宇宙規模で考えれば、環境問題すら些末。仕事の成果など言うまでもなく…


■100mに人生賭けれる?

ばちくそアツい個人的問題作。全5巻だけど熱量で圧倒してくる。100mに人生賭けてる狂人たちのバトル漫画。魚豊先生は「チ」も書いてるけど、"気付いちゃった"人の顔つきとか、狂人の発言にポカンとしちゃってる周りの人の表情をユーモラスに描くのがすごくうまい。

走るのが得意なトガシの小学校編、高校編、社会人編の3つ。全部アツいけど、一番アツいのは最後の社会人編。社会人編になって出てくるベテラン海棠は不思議おじさんとしていい味出してる。海棠は30過ぎ、100m選手としては大ベテラン。でも優勝は経験なし。一つ下の世代に、"天才"と呼ばれる財津が君臨しているから。

高3の夏、15歳の財津が現れた。そっから15年、俺は現実ってやつを見せられ続けてる。いつも最後の最後で負ける現実。一歩先に奴がいる現実。小宮なんて若手も台頭した現実。万年2位なんて呼ばれる現実。今じゃそのあだ名すら明け渡しちまった現実。1秒1秒老いていく現実。ジリ貧な現実。不思議なことにこの世には俺が勝てない現実で溢れているが、これも不思議な事にとうの俺は「次こそは俺が勝つ」と信じ切れている。

現実は逃避できる。"現実"ごときが俺の意思に追いつけない。俺の勝利が非現実的なら、俺は全力で現実から逃避する。現実逃避は俺自身への期待だ。俺が俺を諦めていない姿勢だ。たとえどんな正論・洞察・真理・啓蒙 を振りかざそうと俺は俺を認める。それこそが俺の使命、仕事、生きる意味。

はい、ちょっと意味がわからない。100m早くなければちょっとやばいおじさんである。でもそれでいい。というかそれがいい。 激シブおじさんというだけで性癖に刺さってくるのに、挫折を知ってる天才キャラも被せられると更にキてしまう。

全5巻だけど、濃すぎて読むにはエネルギー使う漫画。読んでも100mを走りたくはならない。でも「やるぞ!」とは思える。


というわけで今日はここまで。どんどん雑になってる気がする。ちと反省…

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