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たたき台を作ってきたやつが一番えらい

突然ですが、このタイトルの言葉は、
イタンジさんとの最初の経営合宿で、
イタンジ代表の永嶋さんが言ってくれた言葉です。

私、針山が「こうやってHousmartを成長させていきます」という発表をする前に、永嶋さんが「たたき台を作ってきた人が一番えらいから、その心構えで聞きましょう」と言ってくれたことで、すごく勇気をもらいました。

企画があるからこそ、新しいことが生まれます。
しかし、企画を作るのは、本当に大変なことです。

企画を作ったことがある人は分かると思いますが、企画を作るだけでも大変です。そして、その企画に対してレビューを受けると、大抵メンタルはボロボロになります(特にオンラインMTGで相手の顔が見えないと辛い 笑)。

一方、レビューする側は、傷つくことはありません。なので、企画を作る人より、レビューする方に回ろうとする人が多い。

ですが、企画があるからこそ、新しいことが生まれます。そしてIT企業には、新しいことが必要です。

企画の叩き台は、大きな企画であればあるほど、アホっぽく見えるものです。なぜならば、企画の範囲が大きくて、考えるべきことが大量にあるからです。

しかし大きい企画であればあるほど、成功したときにビジネスインパクトは大きい。

だからこそ企画をしてくれる人を尊敬し、「たたき台を作ってきたやつが一番えらい」という文化を醸成する必要が、IT企業にはあります。

評論家だらけになったIT企業は、衰退してしまいます。

企画をする人には、大いなる覚悟=GRITが必要

一方で、企画に対してレビューがあるからこそ、考えを深化させることが出来ます。

世界でもっとも重要なビジネス思想家50人であり、ペンシルベニア大学ウォートン校の史上最年少終身教授であるアダム・グラント氏が書いた「THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す」によれば、牧師、検察官、政治家のような「俺が正しい」という思考モードは失敗することが多く、「熱い論戦」(グッド・ファイト)を通した思考の深化こそが重要だと述べられています。

また熱い論戦を通して、企画者の熱意、意図を、周りの人は理解することが出来ます。だからこそ、意思決定の後に人が付いてきます。

企画者には「熱い論戦」を戦い抜く、大いなる覚悟=GRITが必要です。

私はiPhoneの創業秘話が好きです。

時は、2004年までさかのぼる。数人のアップル社のエンジニア・デザイナーがスティーブ・ジョブズに対して i Podのなかに電話を入れようとする提案をした時、ジョブスは「どうしてそんなことするんだ?」とピシャリと言った。「私が今まで聞いてきた中で一番イケてない考えだ。」アップルの社員達は、携帯電話が音楽を再生する機能をも有しはじめていることを認識していたが、ジョブズはiPod事業との"共喰い"を心配していた。ジョブズは通信会社が嫌いだったし、キャリアが課す制約の中で、製品をデザインするのがたまらなくイヤだったのだ。通話が途中で途切れてしまった時やソフトウェアの不具合が起きた時、ジョブズはその不満から、しばしば自身の携帯電話を叩きつけて壊していた。プライベートの会話や公の場に置いて、ジョブズは何度も何度も携帯電話は作らないと公言していた。しかし、アップルのエンジニアたちは水面下でこの分野でのリサーチを既に進めていたのだ。エンジニア達は結託して、ジョブスが何を知らないかをジョブズ自身が認識していないと説得し、ジョブズの確信に疑念を持たせるべく、働きかけていた。みんなが好んで使うスマートフォンを作るのは可能かもしれない・・・通信会社にアップルのやり方に適応させるようにアップルのエンジニア達は熱心に働きかけ続けた・・・アップルのエンジニア達は、自分たちはアップルを電話会社にしようとしている訳ではないとジョブズに説いた。我々はコンピュータ会社であり続ける。既存の製品ラインの隣に電話を加えるだけだと・・・6ヶ月の議論の末に、ジョブスはついに彼自身の時間・労力をiphone開発に向けるには十分なほどの興味を示し、2つの異なるチームが①iPodに通話機能を持たせるべきか、②Macを小型版タブレットにして電話とするか、の双方のアイディアの実現に向けて動き出した・・・製品発売開始からたった4年で、iPhoneはアップルの歳入の半分を占めるまでに成長した。

「THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す」

ちなみに、決まったことを実行しないで言い訳を続けるフォロアーシップが低い人は論外です。そういう人とのコミュニケーションは「熱い論戦」ではありませんし、コミュニケーションを取る必要はないでしょう。

自負と尊敬を

企画をする人は「自分は企画をした当事者である」という自負を、覚悟と共にぜひ持って欲しいと思います。

会議はアジェンダ作ってきたやつが一番えらいし、飲み会は幹事が一番えらい。商談はアポをとったやつが一番えらい。

そして周りは、企画をしてくれた人に尊敬の心を持つ。
そんな会社に、Housmartをしていきます。

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