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ギターと酒と誕生日と私

雪の降る日、アコースティックギターを購った。長年アコギを弾いてみたいと思っていたので、ようやくである。

ほんとうは、1月に購おうと思っていた。なぜなら、誕生月だから。それに何も成せないまま、25歳が終わってしまうという焦りが、わたしを強く駆り立てていた。

しかし1月は諸事情により購入が叶わなかったので、この度行動に踏ん切ろうと思ったわけである。

そんなわけで一念発起し、地元に昔からあるという楽器店に初めて向かった。

購ったのは、中古のギターである。
店員さんの話によると、元の持ち主にとても大切にされていたらしい。※1

それで、わたしも大切にしたいと思った。それに、新品よりも色味が好みだった、というのもある。(新品も売り場にあるもの一点だけではないだろうが。)

これが、ほぼ即決で“きみに決めた!”となった由来である。

とはいえ、宣言前にとりあえず触らせてもらった。触り方もなにも解らないけれども。
自分で初めて、ピックで弦を弾き、自分が出したその音を聴いたときは、それはもう感動したものだった。

加えて店員さんに最低限必要なものを、と聞き、チューナーとピック(実は有難いことにおまけしてくれた)、そして青のクロスを購入する。※2

ギタースタンドは迷ったのだが、ひとまずこの日は見送ることにした。
(しかしもう既に欲しい気持ちが強い。)

かくしてわたしとギター氏は出逢い、同時にギター赤ちゃんが誕生したのであった。

これは余談だが、ほかのお客さんの対応のため、店員さんがその場を離れていた時間があった。

取り残されたわたしは、売場で流れている音楽が気になってしまった。好みの音楽である。
しかし、シャザムしても出てこないので、戻ってきた店員さんに訊いてみたのだった。(音楽のこういう出逢いは一期一会なので。) 

ところがそのアーティストとアルバムタイトルが正確に聞き取れなかったようで、ネットで検索しても出てこなかった。
それで再度訊いてみると、ギターよりもそっちのほうにいっちゃったか~、と苦笑されてしまったので、一応ギターに関する夢を語っておいたわたしである。

(半野喜弘『詩人の肖像』というアルバムだった。)※3

そうして楽器店を後にしたわたしは、その帰途、お酒を購いにいく。
どうしても、日本酒が呑みたかったからである。
そこでスーパーに立ち寄り、なんとなく惹かれた、六歌仙『極物 無印』を購入。

あっさりしているおさけだった。
これはふつうの4合瓶なのだが、家族ほぼ4人で呑んでいたら、その日のうちになくなってしまった。(??????)

おさけの感想はさておき。この記の主役はギター氏である。最後に、前述でさらっと出てきた夢について語って、締めようと思う。

ZABADAKの『遠い音楽』を弾き語るのが、長年の夢だった。
この日、その夢にほんの少しだけ、近づくことが出来たのであった。

2022.2.6

追記:
お気づきになった方がいるのかどうか分からないけれど、実は当記の題は、ZABADAK吉良知彦さんの、単独ライヴの名『ギターと鈴と譜面台と私』のオマージュとなっている。
ZABADAK、吉良知彦さんへ、敬愛の意を込めて。

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※1 元持ち主の娘さんがギターを始めるというので、自分も欲しくなり購ったものの、裕福なのでより一層高価な品を購っていったため、最初のものをこれからギターを始めるひとへ、との思いから手放すことにした、とのこと。

※2 クロスは色が何種類かあり、ここは最近嵌っている“青い未完のヴォーカルユニット”CYNHNの青を選んだ。

※3 このアルバムはSpotifyになかったので、割と本気でCD購うか.......?と思ったが、弟の話によると、Apple Musicにはあるらしかった。いや.......だがしか.......し.......

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