見出し画像

小林賢太郎さんの件で思う、約25年前の価値観と現代の価値観。

・はじめに

私は平成一桁生まれです。今回問題になっている小林賢太郎さんのコントは、私がまだ10歳にもなっていない頃の作品です。
子供の頃のおぼろげな記憶と、大人になって当時の様々な映像を見て感じていること含めて書いてるものになります。




・約25年の歳月で変わった価値観

事の発端となった小林賢太郎さんのコントは、約25年前の作品です。
そこに『現代の価値観の物差し』を持ってくることが、そもそもおかしいと思ってます。

正直、「ユダヤ人大量虐殺ごっこ」というパワーワードに対して、皆過剰反応し過ぎじゃないかなと。そもそもコントの内容は、ユダヤ人大量虐殺ごっこを番組企画として提案し、不謹慎だから放送できるか!と怒られる内容です。

長い歳月を経て、日本人の価値観がかなり変化しました。当時は不謹慎な笑いなんて当たり前に存在していました。
キャリアがあればあるほど、現代の価値観の物差しで考えたら不謹慎・不適切な作品は出てきたっておかしくはないです。

だから、なにがどうなっているのか、なぜこうなったのか。少し冷静になって考えるべきだと思います。




・では、25年前の価値観とは


件のVHSが発売された1998年当時は、現代よりもブラックユーモアに対して寛容、むしろ普通にテレビで放送されていた時代です。
(例をあげるなら、セクハラ、モラハラ、パワハラという言葉はここまで普及していなかったと思います。)


今ではもう放送されていない番組ですが、例えばボキャブラ天国はセクハラ、とんねるずのみなさんのおかげでしたはパワハラ、めちゃめちゃ×2イケてるはモラハラと言われるような事を結構やってました。当時はそんな「低俗番組」が現代よりいっぱいありました。

90年代ってそういう時代だったと私は思います。
今じゃ理解できない価値観がそこにはたしかにあって、それが咎められず、笑いになったり当たり前に存在していたのは事実です。もちろん、不謹慎だと声をあげる人達も一定数はいました。
(そして、個人的に今の時代は潔癖が過ぎるような気もします。正直、ちょっと息苦しい。)

だからこそ、目を背けずに当時のことをちょっと思い出したり、知らない人は当時と現代の違いを知る必要がある気がします。




・間違った怒りのベクトル、人の考えは変わる


今日の炎上を見ていると、オリンピックに強硬姿勢を取っている国に対する、憂さ晴らしや八つ当たりのようにも思えます。

オリンピックにうんざりしている人は大勢いると思います。現に私もその一人です。
かといって「国に何言ったって変わりはしない」ならばと怒りの矛先を変え、政治家では無い人にをその負の感情ぶつけてしまうのはどうかと。

小林さんを解任することでオリンピックへの開会式や閉会式に影響はあるかもしれません。ですが、後は野となれ山となれ精神で開催をしようとしている国とって、今回の一件でのダメージは微々たるものだと思います。

そして、解任コメントにもありましたが、小林賢太郎さんは元コメディアンであり、現在は演出家です。ただ、面白いものを作ることを追求している人です。(マスコミに元お笑い芸人ってレッテル貼られてるのは、個人的にすごく不快です。)

また、2014年に発売した著書やインタビューでも度々「人を傷つけない笑いを心がけている」と話しています。価値観が変わるように、人の考え方も変わります。

なのに、それ以前の過去をほじくり返して叩くのは、ある意味いじめに近いもののような気がします。




・おわりに


今回騒ぎ立てている人達の中には「小林賢太郎さんの作品を全く見たことがない人」がいると思います。なぜなら小林さんは、テレビではなくあえて舞台での作品にこだわりを持っているからです。

現在はラーメンズの公式Youtubeに、小林賢太郎さんが作ったコントが公開されてます。収益は全て日本赤十字社に寄付されています。
見たこと無い人には一度でいいからぜひ見てほしいです。

去年、小林さんが引退を表明したときにトレンド入りした「千葉滋賀佐賀」や「ヒョギフ大統領」が出てくる不思議の国のニポンは個人的におすすめです。ちょっと長いコントではありますが、非常に面白い作品ですので、見てみてください!


考えること、文字を綴ること#02

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?