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地価ってどうやって①

明治時代の地租改正について、いろいろ考えたいと思います。文字面の歴史ではなくて、肌に接する歴史を感じたいと思います。

そこで、うちにあった地券の実物からいろいろと・・・

大学の史学概論の講義を受けていたウン十年前、地租改正における地価決定課程の資料に基づいてレポートを書きました。

そのとき自宅に地券の原本が残っていた!ので、それを元に税額と実際の収入に対する比率を計算したことがあります。あのレポートのコピー、どこにいったかなぁ。

その後、その地券が所在不明になってしまい(T-T)、家の中にはあるはずだけどな~、と探していたところ、この度!大かたづけ中、発見!

■田んぼが小さい

20枚ありました!そんな土地持ちだったっけ?

よくよく田んぼ1枚の面積を見てみると・・・1反(10アール=1000㎡)をこえるものがない、小さな田んぼばかり・・・。

近年の土地改良で区画整理が行われた結果、おおきくなったのね・・・。

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2畝4歩(64坪=約212㎡)の田。これでも広い方。小っさ。

持ち主は5代前の本家の人(高祖母の父)。分家したとき分けてもらったのかな。ちなみにお名前・綱吉は「つなよし」じゃなく、「つなきち」だそうで・・・。

■地券の裏側

地券は歴史の資料集などで写真はよく見かけるけれど、裏側はあまり見受けられないので・・・こんなのです。

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日本帝国ノ人民土地ノ所有スルモノハ必ラス此券状ヲ有スヘシ
日本帝国外ノ人民ハ此土地ヲ所有スルノ権利ナキ者トス故ニ何等ノ事由アルトモ日本政府ハ地主即チ名前人ノ所有ト認ムヘシ
日本人民ノ此券状ヲ有スルモノハ其土地ヲ適意ニ所用イ又ハ土地ヲ所有シ得ヘキ権利アル者ニ売買譲渡質入書入スルコトヲ得ヘシ
売買譲渡質入書入等ヲナサントスルモノハ渾テ其規則ヲ遵守スヘシ若シ其規則ニ因ラスシテ此券状ヲ有スルトモ其権利ヲ得サルモノトス

と書いてあります。土地売買が自由になったってことですね。

元の持ち主から買い取ったので、その旨記載があり、今で言う移転登記がされていることがわかります。

なお、ここは今の自宅つまり宅地の土地で、田以外にも畑、山林、草地、荒れ地、宅地の地目で発行されています。

江戸時代だったら無税のところまで課税するとは!

ところで税額は、歴史の試験の模範解答では、「地価の3%を現金で納める」でしたが、これって安いの?高いの?

「世直し」と称して幕府を潰したんだから、年貢は安くなるはず・・・?

今度またそのあたりを考えてみたいです。



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