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国試によく出る! 難経 六十九難


「虚すればその母を補い、実すればその子を瀉せ」って、耳にしたことはありますか?鍼灸師にとっては、とっても大事なキーワードです。国試でも頻出なので、鍼灸学生にとっても大切ですね🍀。わかりやすく解説していきます。

東洋医学の基本に、「木・火・土・金・水」という概念がありますよね。
1年生のころは、「何やそれ?」って思ってたけど、3年生になった今では、こんな感じです✨

「春で肝が高ぶってるから、相克関係の脾がいじめられて暴走して、めっちゃ食欲出てるな。これはもうしょーがないな。今日もケーキ食べちゃお🍰」とか、思ってますwww
毎日スイーツ食べてたら体調悪化の悪循環なるから、あかんのですけどね💦

五行の関係

教科書「新版東洋医学概論」、参考書、授業などで学んだことに基づいてまとめていきます。

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相生(そうせい)

ひとつの素材が別の素材を生み出す。
木生火(木は火を生み出す)、火生土(火は土を生み出す)、土生金(土は金を生み出す)、金生水(金は水を生み出す)、水生木(水は木を生み出す)の順序でめぐります。

『相互扶助』
次の相手に対して、促進・助長・養成などの作用をし、次の相手を強める
「木をこすったら火が出る → 火が燃えると土が生まれる → 土を掘ると金属が出る → 金属は表面に水を生じる → 水は木を成長させる」

この法則を、五臓(肝・心・脾・肺・腎)に当てはめると・・・
「肝血は心を助ける → 心火は脾を温める → 脾気は肺に昇る → 肺気は腎を助ける → 腎精は肝を養う」

相克(そうこく)

相互に制約し合うことを相克という。木克土(木は土の栄養を奪う)、土克水(土は水を埋める)、水克火(水は消化する)、火克金(火は金物を溶かす)、金克木(金物で草木を切る)。勝ち負けが決まっている関係であるため「相勝」ということもある。

『相互制約』
1個とばしの相手の成長と機能に対し、抑制・制約などの作用をする
「木は土に根を張り養分を吸収する、土は水を吸収して水の流れをせきとめる、水は火を消す、火は金属を溶かす、金属は木を切り倒す」

国試によく出る「難経 六十九難」

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※火は心包と三焦もあります。

図に示した通り、木火土金水には、それぞれの中に木火土金水があります。
なので、六十九難「虚すればその母を補い、実すればその子を瀉せ」というのは、全体の大きな木火土金水で考えた場合と、自分の中にある小さな木火土金水で考えた場合の2種類が出てくるということなんです。
五兪穴・五行穴(井・滎・兪・経・合)の法則を活用します。

五兪穴・五行穴一覧切り抜き


「虚すればその母を補い、実すればその子を瀉せ」

具体例をあげて、説明していきます。
毎日ケーキを食べて胃を酷使しているCさんは、脾虚になってしまいました。虚なので「その母を補う」選穴ですね。

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この場合、虚している脾の母は心なので、心を補う必要があります。
心は、木火土金水に当てはめると火ですよね。
母経である心経も、自経である脾経も陰経なので、滎火穴にアプローチすることになります。

🌟全体での母(母経) ➡ 手の少陰心経の滎火穴(少府)
🌟脾の中での母(自経) ➡ 足の太陰脾経の滎火穴(大都)

母経と自経でみるので、この2つの経穴が当てはまります。
六十九難は、臓=陰経の五兪穴のみなので、覚えやすいですね。

「虚は、その母を補う」「実は、その子を瀉す」は、全部で10パターンあります。

虚 → 母を補う
肝虚 足の厥陰肝経:曲泉(合水) 足の少陰腎経:陰谷(合水)
心虚 手の少陰心経:少衝(井木) 足の厥陰肝経:大敦(井木)
脾虚 足の太陰脾経:大都(滎火) 手の少陰心経:少府(滎火)
肺虚 手の太陰肺経:太淵(兪土) 足の太陰脾経:太白(兪土)
腎虚 足の少陰腎経:復溜(経金) 手の太陰肺経:経渠(経金)


実 → 子を瀉す
肝実 足の厥陰肝経:行間(滎火) 手の少陰心経:少府(滎火)
心実 手の少陰心経:神門(兪土) 足の太陰脾経:太白(兪土)
脾実 足の太陰脾経:商丘(経金) 手の太陰肺経:経渠(経金)
肺実 手の太陰肺経:尺沢(合水) 足の少陰腎経:陰谷(合水)
腎実 足の少陰腎経:湧泉(井木) 足の厥陰肝経:大敦(井木)

国試対策としてだけではなく、臨床に出てからも治療法のひとつとして活用できるので便利✨

ここまでお読みいただき、ありがとうございました🍀
何かひとつでもお役に立つ情報があれば、嬉しいです🐼


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