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コロナワクチン、特許緩和の議論は慎重に etc. (5/5)

■ 新型コロナウイルスワクチンの特許緩和、アメリカ政府が支持   

先進国 (特にアングロサクソン) と途上国間で、ワクチン接種率の格差が大きくなっていることを背景に、米政府がワクチンの特許協定を一時的に緩和することに前向きな姿勢を見せています。世界規模での非常事態に対して柔軟な対応を取ることで、低所得国でのワクチン接種を推し進めようとする姿勢は素晴らしいと思います。

しかし、これに対して製薬会社からは反発の声が上がっています。その主な理由として

・特許を放棄すれば、新たな創薬開発のインセンティブが失われ
・ワクチン普及を妨げているのは特許保護協定ではない。

といったものが挙げられます。思い返せば、製薬企業がワクチン開発に乗り出したころ、まだ新型コロナウイルスがどれくらい拡大するかは未知数でした。今ワクチンを供給している製薬会社の多くが、そのような段階から開発に着手していたということを忘れてはいけないと思います。また特許の放棄は、イノベーションによる創造価値を軽んじることにもなりかねません。

専門外であるため、個人的に賛成・反対を述べることは難しいですが、決して感情論だけで捉えてはいけないということは確かだと思います。

■ 日本製薬工業協会は特許の一時放棄に反対 (2021年5月7日追加)