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うつ抜けマニュアル-10のヒント-

はじめに

こんにちは、よねと申します。
(Instagram:@harihari.yonesan

僕は今、30代前半で「鍼灸師」というお仕事をしています。

鍼やお灸を使って心身を整え、体調を治していくお仕事なのですが、そんな僕も昔は抑うつ状態に10年ほど悩まされていました。

もともと人見知りで怖がりだったため、中学進学時に周囲の環境になじめず、高校、専門学校と学生時代は散々なモノでした。


社会人になってからも研修先を4か月でクビになったり2か月でクビになったりととにかく使えない暗い人でした。

何をしてもうまく行かない日々に嫌気がさし、常にぼーっとしていて、生きてる意味あるのかな?と自問し、少しでも優しくしてくれる人がいれば全力で依存してしまうような、なかなかに病んでいる人でした。


当時の症状といえばこんな感じ。

・テレビを見ているような感覚
・心がかなり深いところにある感覚
・話のテンポがかなり遅れる
・常に身体がだるい
・5分座っていられないほどの腰痛
・「疲れてる?」「怒ってる?」とよく聞かれる
・自分を見た人が全員自分を馬鹿にしているという感覚
・脳内会話が多く話を振られると聞いていない
・ねたみ、恨み、嫉妬などが強くとにかく卑屈
・ほとんど笑わない(笑えない)
・手足の冷え
・自律神経失調(全身から汗をかく)

などなど。


今思うと、うつ病の他にも副腎疲労症候群と自律神経失調症などがあったのかなと思います。


「自分なんてこんなもの」と思っていましたから、「病名」なんて気にしたこともなかったです。


ただ、ひょんなことから鍼灸というモノを勉強しはじめてから少しずつ身体に変化があらわれました。


身体には治し方があるし、身体が治れば精神も治る。


ちなみに、東洋医学には『心身一如(しんしんいちにょ)』という思想があります。


心と体は一心同体であり、どちらもお互いの影響を受けながら動いているというものです。

・身体がラクになると、心に余裕が生まれます。
・心に余裕が生まれると、少し前向きになれます。
・少し前向きになれると、挑戦する意欲が湧いてきます。
・挑戦する意欲が湧いてくると、失敗や成功を積めるようになります。
・失敗や成功を積めるようになると、自信が湧いてきます。
・自信が湧いてくると、うつ病はどこかへ消えてしまいます。


うつ病をはじめとする精神状態を改善にするには、身体の状態をとにかく変えなくちゃいけません。



「メンタルを変えたければカラダを変えろ。」


うつ抜けするための最大のヒントは、これに尽きるような気がしています。


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今回、『うつ抜けマニュアル10のヒント』というものをテーマに執筆してみました。


東洋医学、心理学、メンタルトレーニング、など今まで僕が勉強したり自分の体験や考え続け、答えの出たものを一気に詰め込んでまとめたものになります。

東洋医学的な話などは聞き慣れない言葉も多く、少し難しいところもあるかもしれません。

中には今まで聞いたこともない言葉やセルフケア方法などが出てくるかもしれません。

ただ、「毎日10㎞走れ!」とか、「ポジティブワードを唱え続けろ!」などという無茶なことは書くつもりはありません。

できるだけ簡単に、できるだけ無理なく、そういえばなんとなく最近調子いいなーと思えるようなことを心掛けています。


また、すべてを取り入れる必要もないと思っています。

うつ病に苦しむ方は、基本的にまじめで優しい方が多いので、「すべてをやろう!」と思い過ぎてしまうかもしれません。

「すべてをやらなくてはいけない!」なんて絶対思わないでくださいね。

自分に合うモノもあれば、どうしても抵抗のあるモノもあると思うので、少し興味の湧いたモノからゆるーく始めてもらえればと思います。


「そんなことでこの病気が治るわけないじゃん。」
「今は解決策よりただ共感してほしい。」

…そんな気持ちもよく分かります。

苦しみすぎるとうつは「自分の一部」になっていきます。

良くも悪くも一体化しすぎて「うつ状態から変化すること自体」が怖くなることもあります。

今、病気で苦しんでいるあなたは十分に素敵なのですが、もし、そろそろ病気を克服して新しい自分になりたいなと思われているのであれば、ゆっくり実践していってもらえればと思います。


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ここで、少しこの本の説明です。

このうつ抜けマニュアルは大きく分けると前半と後半に分かれております。

前半は、「うつとは?」「うつに良い食事とは?」や「うつに良いセルフケアとは?」など比較的ライトで取り入れやすいものを中心に書いています。

後半は、表面的なモノではなく、人間関係や考え方など、もう少し深く突っ込んだ本質的な話を書いています。

【注意点!】
後半は割と中心的なことを書いていくので、あなたの精神状態によっては重たく感じて苦しくなってしまう可能性があります。


それは見たくないところを無理やり見させられるような感覚であり、本当の問題と向き合わされるような感覚のため、一時的に怒りや不安、自己嫌悪などの感情に陥ってしまうかもしれないからです。


なので、もし今のあなたがかなり追い込まれているのだとしたら無理に読まないことをお勧めいたします。


ただ、僕はうつ抜けにおいて、栄養やセルフケアも大切ですが、最終的にはさらに深いところにある本質的な部分に向き合っていかないといけないと思っています。

なので、嫌われる覚悟をもって勇気をもって書いていきます。


あなたが今、うつ病になったという意味は必ずあると思っています。
自分の人生に大満足でうつ病になる人なんていませんからね。

何かしらの不満や不安があって、このまま進んで大丈夫なのか?と本能的に反応しているのだと思います。

あなたが本当に望んでいるもの、本当に足りていないものは何か、それを一緒に見て解決していけるお手伝いができればなと思っています。



それでは、いきましょうか。
できるだけリラックスして、ゆっくり行きましょう。

大丈夫、僕は敵ではありませんから。


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Chapter1 うつ病とはいったい何者?


うつ抜けを目指すときにまず大切になるのは「敵を知ること」だと思います。

すなわち「うつ病」というものが、どのような病気であると考えられているかを知ることによってうつ病の全体像が見えてくると思うのです。

あなたがネットや本で調べるうつ病とは、一般的に西洋医学の精神科領域で言われているうつ病です。

ただ僕は鍼灸師です。
もちろん西洋医学的な知識も勉強してきましたが、鍼灸によるメンタルケアも勉強してきました。

実は西洋医学と東洋医学で考え方は結構違っていて、東洋医学からみたうつ病というものは西洋医学とはまた少し違うアプローチになっています。

そこでchapter1では西洋医学からみたうつ病と、東洋医学からみたうつ病についてまとめてみようと思います。

お互いを比較することで新たな発見があるかもしれません。


現代医学は西洋医学がベースになっていますので、西洋医学的な説明は聞き慣れた言葉が多く、もしかすると「もう知っているよー。」という方も多いことでしょう。

それに引き換え東洋医学の考えは、聞き慣れない言葉も多く、少しうさん臭い感じがしたり、宗教でしょ?と怪しまれる方もいるかもしれません。

しかし、東洋医学も古くからの統計医学であり、西洋医学とは別の角度から身体を見ているため、東洋医学の思想も理解することでうつ病というものの理解が深まると思います。

それでは見ていきましょう。


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