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【小説】今の気持ちは、 #3

りなは小学生になり、少しずつ物心がついてきた。周りの友達と同じように学校で過ごしていたがだんだんと自分が人と違うということに気がづいてきた。

同じクラスの子がりなを泣き虫扱いしだした。

学校の先生たちはりなの事情を把握しているがそれを生徒たち理解しているが全員に理解されるのはなかなか難しい。男の子はりなをからかっていた。
ある日の休み時間、りなが泣きながら走る姿をみて

また泣き虫りなが泣いてる!!泣き虫ー!

と指を指して笑っていた。クラスメイトからからかいを受けた。変人扱いを受けていた。りなは悲しくなって笑い出した。するとすかさず同じ子たちから

うわー今度は笑ってやがる!気持ちわりい!

りなはその場にいるのが嫌になって教室を飛び出し保健室に逃げ込んだ。

どうしたんだい?

と低く優しい声をかけてくれた。りなは何も言わずにただ笑いながら先生のお腹に顔を埋めた。おばあちゃんの温かい温もりを感じていた。先生は全ての事情を知っていたため泣きながら入ってきたりなを先生は優しく抱きしめた。

その日の夜学校から電話がありさとみが事情を聞きその夜こういちにも話した。

周りとほんの少し違う。ただそれだけで学校には行きたい。勉強をしたい。友達と遊びたいという共通の目的ができない。りなの心はさらに深く重くなっていった。

だんだんとりながが学校を休む日が増えた。

お腹が痛いから始まり、頭が痛い、と身体の不調を訴えていき、とうとう学校に行きたくないと言い出した。

さとみは学校には行かせたい気持ちはあるが今はりなのために、りなの意見を尊重し無理に学校に行かせることはしなかった。

りなにも友達は何人かできていて、初めは手紙や宿題を家まで届けに来てくれていたが徐々になくなっていった。

さとみは学校の代わりに勉強できるように国語と算数などのドリルを持っていった。りなは学ぶことは積極的で1人でももくもくとやっていて、わからないところはその都度さとみに聞いて勉強していった。

りなは学ぶことに加え絵を描くことも好きで好きな描いては見せ描いては見せて家族を笑顔にさせた。

今は学校よりも家で過ごすことが多くてもいい。でも学校でしか学べないこともある。だから中学校は毎日じゃなくてもいいから通ってほしい。

さとみたちは考えていた。これから先まだまだ人生は長い。りなにはいろんな経験をして自分を信じて自分で選択をするという力をつけなくてはいけない。さとみの強い想いは今のりなにいつ、どのタイミングで伝えるか、さとみたちは悩んでいた。

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