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社会運動においての警察対応の心得めも

 メモ書き程度にまとめておくとしよう。これから何か行動を起こそうとしているのであれば、警察対応について仲間と事前に調整しておくことが必要となる。運動を始めると分かるが、警察が自由な活動を妨げる最も大きな要因となっている。いろんな方針が考えられるが、最初から独自に警察対応を行うチームを組むことができないなら、救援連絡センターが発行している『救援ノート』を活用するのが良いと思われる。もし緊迫した状況であるなら、あらかじめ話し合いをしておいて仲の良い弁護士にも相談しておくのが良い。抗議をするとしたら、目的は、所詮、パフォーマンスでしかないのか、実力行動なのか、だとしたら何を獲得目標にするのか、明確にしておくこと。弁護士を予め立てる場合や緊急の電話番号の共有と方針の確認をしておく。腕にマジックペンで書くと分かりやすい。


 現場では警察は組織だって対応してくるので、こちらも、かなり役割化して動く必要がある。ただ、必要以上に役割を決めるのも野暮というもの。言葉にせずとも阿吽の呼吸や雰囲気で共有すべきことだと思う。だいたい、①冷静に対応する交渉する②警官に楯突く③動画・音声など記録する④ヤジを飛ばす取り巻き⑤実際に抗議する人、‪に自然と動きが分散すればそれなりに上手く回せる。


 逮捕をする準備をしているかどうかがポイントになる。予めその場所で何らかのアクションが発生することを知っており、抗議する人が誰かを把握している場合で、なおかつ逮捕をする必要性が出てくる可能性がある場合は、当然ながらその確率が高まる。慣れていたり逮捕権を持っている刑事が来ているとすぐそうなる。その集団のことを調査したいために予め逮捕する方針だった場合は、違法行為が一切なくても難なく逮捕される。とりあえず捕まえておこうか…というノリである。要するに逮捕は、されるときはされるし、されないときはされない。ゲリラ的に発生させたアクションであれば、その場にたまたま居合わせただけの警察は現場で起きていることの正確な把握と、収拾に対する責任、法規の確認の不確かさとかで揺れているため逮捕されることは殆どない。


 その瞬間には一線超えずとも、あまりやりすぎると、後で理不尽に絡まれたり、転び公妨をかけられるので注意する必要が出てくる。とにかく救援活動は予想以上に面倒なので、アクションの目的が必要以上に警察を刺激しないように振る舞うことが鉄則となる。2回目の正式な警告を受けたら撤退し始める必要が出てくる。3回目の警告は存在せず、そのときは検挙となる。ここを超えるとまずいという瞬間は実はかなり分かりやすい。相当、鈍感な人でなければ、現場監督となっている警官の顔が引きつり始めるのが見えるはず。その後、後ろを向いて打ち合わせを始める。そうなると撤退したほうが良い。重要なのは、そこで気がつかないメンバーがいた場合に確実に止めること。雰囲気でギリギリを判断する。

 逮捕されたら完全黙秘が原則となる。供述調書を取らせなければ事件化することが難しくなる。要するにサインをしなければ良い。すぐ出たいなら弁護士と相談の上、ペラペラ話すというのも手かもしれない。実際、証拠がないし、違法行為をしているわけではないので、それも選択肢の一つと言える。完全黙秘を行う場合は23日間は身柄を拘束されることを覚悟する必要があるが、事件化を確実に防げる手段である。というか裁判になりたくなければそれしか取れる方法がない。日本の司法は一度、起訴されたらほぼ間違いなく有罪判決が降ってしまう。そうならないためにも完全黙秘を行うのが良い。実際問題、そこまでの体力がないというのが難しいところである。


 まず弁護士に支払うお金を確保するためにカンパを集める必要性が出てくる。ただし、このときに、目的が何なのかをはっきりさせる冪である。事件の不当性をアピールするのか、ただ粛々と釈放を狙うのか、曖昧にしたままでは混乱が起きてしまう。あえて逮捕を避けさせない、その対策を取らないことで、仲間に引き込むことが過激派の常套手段である。ので、仲間だと言って信用しすぎていると誰かの思惑にハマりかねない。集団や上部組織の思惑が絡んでいる場合もある。また、不当逮捕をアピールすることが実は社会運動の分断に繋がりかねない場合もあるためそこは慎重に考える必要がある。逮捕が社会運動の分断を意図して行われた可能性も考慮しなければいけない。どちらにメリットが存在するかである。

 実務上、個人情報には注意し逮捕者の名前を扱うときは表向きA君、B君としておく。カンパを募る範囲は仲間だけにするのか、大々的にやるのか、収支報告も必要になることを考えると悩ましいところである。

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