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ドレスデン②ラファエロとフェルメール

今日は、ドレスデンの美術館、博物館巡りについて。

アルテ・マイスター絵画館Gemäldegalerie Alte Meister 

ここがドレスデン旅行の一番の目的地、ツヴィンガー宮殿内の美術館だ。
ラファエロの天使と、フェルメールの絵を見ることが、長い間の夢だった。
 
この美術館は、アウグスト強王により絵画の収集が始まったと言われている。
ここで一番有名な絵は、ラファエロの『システィーナの聖母』だろう。
1754年にアルテ・マイスター絵画館のコレクションに加えられたのだそうだが、この絵自体が、この絵画館の価値をも上昇させたと言われている。
 
誰もが見た事があるだろう、二人の天使。
恥ずかしながら、私は以前、この絵はイタリアにあるものだとばかり思っていた。
イタリア旅行の際に、あちこちでこの絵をモチーフとしたお土産を見かけたからだろう。
しかし、意外にもドイツにあると知った時には驚いてしまった。
そしてこの絵が、聖母の絵の一部だと知った時には、更に驚いてしまった。
 
ラファエロ 『システィーナの聖母』
1513年頃

私は出会いたかったこの二人の天使に、ようやく出会う事ができた。

フェルメール 『取り持ち女』
1656年頃

もう一枚のフェルメールの絵「窓辺で手紙を読む女」は、まだ修復途中で見ることができなかった。
この絵は、隠されたキューピッドが見つかった事で話題となった。
来年2月から、アムステルダム国立美術館で過去にない大規模なフェルメール展が開催される。
私はその日を楽しみにしていたのだが、つい先日、noteを通じて知り合う事のできたアムステルダム在住のかたが、チケット販売が開始されたと教えて下さった。
私はその日に、チケットを予約した。
ようやく、私はフェルメールのキューピッドに会える。

Akio von der Meerさんのブログはこちらです。
Akioさん、教えて頂きありがとうございました♪

ルーベンス 『ニンフとサトゥルヌスに導かれながら、酔っ払うヘラクレス』
1614年頃

クラナッハ (父)『イヴ』

リオタール『チョコレートガール』

陶磁器館 Porzellansammlung 

アルテ・マイスター絵画館のお隣にある。

磁器とは思えない、素晴らしい作品ばかりだ。

マイセンと陶磁器の歴史については、後日マイセンへの日帰り旅行に纏めたいと思う。

ドイツ衛生博物館 Hygiene Museum

コロナの影響もあり、この博物館に興味が湧き足を運んだ。

人体模型を始め、人と生活に関わる様々な展示物があり、また体験コーナーも豊富だった。
子供の頃にこんな場所に連れて来てもらえたら、私はきっと一日中ここにいたいと言っただろう。

Volkswagen Manufaktur Museum

ここはフォルクスワーゲンの生産拠点・かつ博物館

DDR博物館

Die Welt der DDR 
(Deutsche Demokratische Republik)
 
東ドイツの生活を、そのまま伝える博物館だ。
 
ここで初めて、東ドイツで生産されていた車Trabantを見た。
その中で、事故で壊れている車を見つける。
なぜこのような物を展示してるのだろうと不思議に思って近づくと、説明書があった。
壊れた箇所で素材の様子が良く分かるので、敢えて事故車を展示しているようだ。
それをよく見て、かなり仰天してしまった。

よく『段ボールでできた車』と言われているのを耳にしたけれど、それは単なる揶揄だと思っていた。
展示車の近くで製造過程のビデオが流れていたので何気なく見てみると、実際に紙パルプと羊毛を圧縮して作っていた。
自分の無知を知るとは、こういう事だ。
 
安全面に問題はないのかと疑問に思ったので後から調べてみたら、Wikipediaに詳しく説明があった。
以下簡略文。
 
実際には、綿の繊維を使った繊維強化プラスチックを原料としていたが、末期は共産圏の財政悪化のため、製造コスト低減を図って実際に紙パルプと羊毛で代用していた。
 
そういう事らしい。
 
他にも、DDR時代の平均的な家の様子が再現されている。

 スーパーマーケットも。

DDR時代の紙幣硬貨の展示。

バウツナー通り記念碑

Gedenkstätte Bautzner Straße Dresden
ここは、STASIの中心地跡だ。
社会主義統一党(SED)がどのようなものであったか、政治犯がどのように投獄されていたか、ソビエトの拘留施設、刑務所、会議室などの展示を見ることができる。

囚人室

こちらは、会議室

ドレスデンは、芸術の街だ。
この街の基礎を築いたアウグスト強王。
政治的な手腕は評価されていないし、婚外子が300人以上いた等、かなり奔放な性格だったようだ。
しかし、彼の芸術への愛情がなければ、ドレスデンはこのような発展を遂げてはいなかっただろう。
そして、きっと今とは違った街が出来上がっていたのだろうと思う。
 
歴史は時に、偶然によって強い変化が加えられていく。
 
それが、偶然か運命かは、神のみぞ知る。

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