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舌で楽しむクリスマスマーケット

クリスマスマーケットは、その美しさを目で楽しむだけでなく、食べ物や飲み物を舌で味わうのも楽しみの一つ。
みんなでワイワイ食べると、更に美味しい。

クリスマスマーケットと切っても切れないもの、それがGlühwein グリューワインと呼ばれるホットワイン。
発音はグリューヴァインだが、日本語ではグリューワインで統一されているようなので、こちらにて記載。
寒い屋外でクリスマスマーケットを楽しむために、グリューワインは欠かせないものだ。

因みに、本日の最低気温はマイナス7度。
最高気温は0度。
Königsalleeという市内の華やかな通りには小川が流れているが、すっかり凍ってしまい、鴎が氷の上にちょこんと佇んでいた。

ちなみに、気温が低いとグリューワインの売れ行きが上がり、気温が高いとビールの売れ行きが良くなるのだという。
とにかく、クリスマスマーケットには、アルコールが必要だ。

子供たちは、ポンチと名付けられたノンアルコールのグリューワイン、もしくは温かいココアなどを飲んでいる。
私の友達の一人は、全くアルコールが飲めないので、いつもこのポンチを注文する。
ポンチを飲みながら、私達の飲んでいるグリューワインの蒸気で酔うと言って、顔を真っ赤にしているのがとても可愛らしい。

このグリューワインについては知名度も上がっているので説明は不要かもしれないが、ワインを香辛料で風味付けした温かいワイン。
 
グリューワイン購入時には、ワインの料金と共にコップの料金をデポジットとして支払う。
コップには年度が入っているものが多いので、毎年このコップを集めている人もいる。
 
このホットワインが大好きな友達は、この香辛料の独自のレシピを持っていて、家にお邪魔すると手作りのホットワインをご馳走してくれる。
一方、不精者の私は、瓶に入ったグリューワインを温めて飲むくらいだ。
スーパーも、クリスマスらしい品揃えになる。

グリューワインは、赤ワインで作られているイメージがあるが、白ワインのグリューワインもある。
デュッセルドルフの旧市庁舎広場の角に毎年出る、白ワインのグリューワイン屋さんがお気に入りで、毎年立ち寄ってしまう。

ホットワインの他に、焼きリンゴワインというお店もあり、りんごの味わいがとても美味しい。

更には、Feuerzangenbowleという飲み物があり、私の友達の一人はこれが好きだという。

鍋にホットワインを入れ、上部の装置に専用の砂糖を置く。
その砂糖の塊にラム酒をかけ、火をつける。
砂糖が解けてカラメルの甘い匂いを放ちながら、下の鍋に滴り落ちる。

友達は小さな専用鍋を持っていて、冬の時期に行くと振る舞ってくれる。
部屋の電気を消すと、友達は砂糖が解けていく炎を見つめて、綺麗だねとうっとりしている。
私達は、解けていく砂糖の甘い香りに、うっとりしている。
みんなの幸せのひと時だ。
 
私はワインに詳しくないが、ワイン葡萄の生産は、ラインガウ地方、ライン・ヘッセン地方、ラインランド・プファルツ州などで特に盛んだ。
ドイツは、北海道より北に位置しているため、ワイン葡萄生産には最北限の場所とも言える。
日本にいる間に、シュバルツェカッツェ(黒猫)という名前のドイツワインを知り、ドイツワインは甘いイメージがあった。
しかし実は辛口が圧倒的に多く、また赤ワインよりも白ワインのほうが多い。

ここからは、食べ物編。
まずは焼きソーセージ。

Flammkuchen 
フラムクーヘン
 
Flamm 炎 + Kuchen ケーキ
 
炎で焼かれたケーキという名前だが、甘いものではなく、薄い生地のピザのようなものだ。
ベーコンや玉ねぎ、じゃがいもやチーズなどがトッピングされている。
これは一年中どこでも食べられるのだが、クリスマスマーケットでは、何故か食べたくなってしまう。
 
お昼の時間に、会社の近くのクリスマスマーケットに、同僚と一緒に食べに行く事もある。

焼き窯からは美味しそうな香りが漂い、待っている間にお腹が急激に空いてくる。
寒い中での焼きたてのフラムクーヘンは、一層美味しく感じる。

Spießbraten 
シュピースブラーテン

豚肉を焼いたものと炒めた玉葱が、パンに挟まれている。
このどっしりと濃い目の味付けが、食欲をそそる。

Gebratene Champions 
ゲブラーテネ シャンピニオンス

こちらは、マッシュルームを煮込んだもの。
煮込む際には、それぞれのお店のレシピがあるようで、少しずつ味が違う。
ソースの種類が色々あるので、たくさんの楽しみ方ができる。

Reibekuchen もしくは Kartoffelpuffer
ライべクーヘン もしくは カルトッフェルンプッファー

じゃがいもを揚げたものを、アップルムースと共にいただく。
同じような料理に対して二つの名前があるので、友だちに聞いたところ、揚げる前の状態が違うのだそうだ。
 
Reibekuchen / 生のままのじゃがいも
Kartoffelpuffer / 茹でたじゃがいも
 
初めて食べた時、じゃがいもにアップルムース?と半信半疑だったが、驚くほど味が合う。

焼き栗もとても美味しい。

そして、私が楽しみにしているのがデザート。
クレープやチュロス、ワッフルなどが焼かれる甘い香りが周囲に漂うと、お腹がいっぱいでも、ついつい食べたくなってしまう。

シナモンと砂糖のシンプルなクレープ、焼き立てのワッフルは、とても美味しい。

冬の時期のお菓子、シュトレンの事は前回記事にしたが、他にもレープクーヘンというお菓子もスーパーやマーケットに並べられる。

ドイツの冬は、暗く、そして長い。
それでも、このクリスマスマーケットが開かれるアドベントの期間は、街が明るく彩られ、そして季節ならではの食べ物や飲み物を口にして、目も心も身体も満足する。
クリスマスマーケットを楽しむ事は、長い冬を凌ぐための、ポジティブな方法だと感じる。

さあ、今年はあと何回クリスマスマーケットに行けるだろう。
考えるだけで、ワクワクしてくる。
冬が来ると、私はちょっとばかり太ってしまう。
これも、幸せ太りの一つと数えられるだろうか?

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