貼り箱は量産品にして「複製不可能」なパッケージ
最も美しいひとつの一台、と言われるフェラーリ328。
フェラーリは、工業製品でありながら複製不可能な量産品の一つ。
現在は車としてのクオリティもかなり上がりましたが、聞くところによると昔のフェラーリは例えばドア交換で本国からリペア用のドアを取り寄せても、微妙にカタチが違って合わない。なんてことが普通にあったそうです。笑
量産といってもまだまだ生産台数が少なかった時代、それだけ手作りの部分が多くあったんでしょう。今聞けば笑い話のようですが、まさに「複製不可能な量産品」だったのです。
また工業製品である限り、他社に真似されたりコピーされたりします。国内でもそうですし、海外(特に東南アジア)でも同じようなことが起こります。
実際、弊社のお客様のあるメーカーでも、最初「中国で、商品もパッケージもコピーされる」ので、コピーされないパッケージを作って欲しいという案件がありました。
中国だと多少複雑な形状にしても、人海作戦の手加工でコピーされます。そのときは、ちょっと真似されにくい形状と使う素材を工夫して真似されにくいパッケージ(貼り箱)を考えてました。
おかげで最初のご注文からほび10年近く経ちますが、未だにコピーされたパッケージは出現していません。
そして何よりも、カタチや構造など表面的なものが真似やコピーが出てきたとしても、ブランドの世界観や意味は真似やコピーは出来ません。それは人間がつくるものですし、長年の積み重ねによって生まれるものだからです。表層的にコピー出来るものではありません。
その芯の部分があれば、表層的なコピーはあまり怖くはありません。お客様からみれば、そのブランドの世界観や意味は感じることが出来るからです。
弊社でつくる貼り箱は、「意思を運ぶ箱」です。
単に、モノ(商品)を運ぶ(機能)だけの箱ではありません。
そして職人がひとつ一つを手仕事でつくる箱は、これも複製不可能な量産品の一つなのです。