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貼り箱(はりばこ)って、どんなパッケージ?

私は小さな町工場で、化粧箱の一種である紙のパッケージ「貼り箱」を作っています。
そもそも貼り箱(貼箱とも書きます)って言葉は、一般的には聞いたことがほぼないと思います。紙器(紙で作られたパッケージ)業界では知られていますが、貼り箱という言い方は普通にはしません。

でもみなさんは、実はよくみています。一番わかりやすい例だと和・洋菓子の化粧箱。典型的なのは、バレンタインのチョコレートの箱というとわかりやすいですかね?

お菓子の箱でいうと、大きく2種類あります。組み箱(業界ではトムソン箱といいます)と貼り箱。

組み箱とは、平面の厚紙(約0.3〜0.5mm厚程度)に印刷をして木型で抜いて組み立てた箱(ポッキーの箱というとわかりやすいかな)。
※木型:箱の展開図の形に抜くための型。ベニヤ板にレーザーで溝をつくって刃物を埋め込んだ型。

それに対して貼り箱は、中芯となる厚紙(1〜2mm程度のボール紙)で一旦箱のカタチにしてから、和紙や化粧紙などを貼って作られています。
接着剤(ニカワ)を使って紙を貼ってつくる箱なので「貼」「箱」と書いて貼り箱(貼箱)といいます。

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貼り箱の一番の特徴は質感のある紙や生地などを直接貼ることで、印刷用紙とは違った表情や表現が出来ることです。
パッケージデザインでいうと、ビジュアル的なデザインというよりも素材(主に紙)の質感を活かしたデザインといえます(もちろん、印刷された紙を貼ることもあります)。

その独特の美粧性から和・洋菓子をはじめ、高級な贈答品やギフト商品、化粧品や美容関連商品、ソフトウェア、アクセサリー、ウエディング用DVDケースなどに採用されています。また、金属加工サンプルを貼り箱に入れてプレゼンテーションに使われるなど、BtoB製品にも化粧箱として需要があります。

一般的にトムソン箱と呼ばれる組み箱は厚紙に印刷し、それを型抜きしてから組み立てた箱です。安価で量産が容易なため、主に大量流通商品に使われています。

貼り箱製造でも、自動制御の機械で量産することができます。弊社の場合は機械を使いますが、作業そのものは手加工で比較的小ロット生産を得意としています。数百個〜千個、多くても二、三千個程度のものを手がけています。

貼り箱はトムソン箱や段ボール箱に比べて高価と言えますが、美粧性や高級感、上質感が貼り箱の存在価値です。商品の価値を貼り箱を通してお客様に伝える大きな効果が貼り箱にはあるのです。

貼り箱について、もっと詳しくお知りになりたい方はこちらをご覧ください。
貼箱とはどんな箱?
貼り箱は、素材感を活かしたサスティナブルなパッケージ。
このページは、弊社が考える貼り箱の特徴や組み箱/折り箱との違いを説明しています。

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