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タミヤ1/72晴嵐#4~製作後記とレビュー

タミヤ 1/72 ウォーバードコレクション No.37 愛知M6A1 晴嵐
(TAMIYA Warbird collection AICHI M6A1 SEIRAN)

ひとまず完了としましたので、制作の感想とキットレビュー的なものを記事にしてみたいと思います。

キットレビュー

1997年7月発売。タミヤらしい繊細なキットだと思います。
アメリカ・スミソニアン博物館にある実機を取材したそうなので形状の再現度はほぼ完璧なのではないでしょうか。

大きな隙間が空いたりガタつくような段差などもなく仕上がります。
フロートに若干のパーツ反りなどはありますが輪ゴムなどで固定接着すれば問題ありません。
なにより価格が安く、台車も付いていてボリューム感はあるのでコスパはいいと思います。

確かにいいキットですしネットでも大絶賛が多いのですが、作ってみた感じでは手放しで褒め過ぎかなって思いました。決してパーフェクトではないです。
だいぶ金型に年季が入ってきているせいもあるかもしれません。
少なくとも初心者にお勧めって感じはしませんでした。

ちょっと粗探し的な感もありますが指摘しておきます。

キャノピー塗装が難関

日本機全般に言えますがキャノピー枠が多く塗装が面倒です。
ただでさえ大変なのにこのキットに関しては金型がすり減ってきているのか、一部の枠線が薄くなっていて塗分けに苦労しました。
また、前方風防の正面下部にやや隙間が空きます。

オプションがあいまい

スピナーや照準器など自由選択する部品があるのですが、どういう時にどちらを選ぶのかという根拠が何も書いてありません。
資料の少ない機体なので仕方ないかもしれませんが、選択肢があるってことは何かしらの造形の根拠があるはずでそれは明記してほしいですね。
無いなら無いで「資料が少ないので好きにつけてください。」とか書いてくれた方が親切に思います。

爆弾が雑

おまけみたいなものですし良く見えないところについてますが、爆弾の扱いが雑です。
他所でも指摘されていますが、実機では爆弾は、尾部安定板(ヒレの部分)が正面から見て+ではなくxになるよう懸架するのが正しいようです。
修正するには爆弾パーツの加工が必要です。
今回は目立たないし面倒なので特に修正もせずそのまま+位置でくっつけました。

↓1/48スケール版の箱絵ではちゃんとx向きについているのに。

1/48スケールキットの箱絵

また、爆弾は全面グレー一色の塗装指定ですが、海軍既定の塗装が一応あります。(気になる方は調べてみてください)


その他気になった点

1.後部機銃の取り付け位置
説明図だと機体左寄せのように見えたのでそう接着してしまいましたが、中央取り付けが正解みたいです。
キャノピーを被せたらあまり見えないですが。

2.爆弾架
爆弾支持架の取り付けピンがゲートと一体化していてつい切り取ってしまいました。
パーツの取り付けの前後の向きもあいまいです。見えにくい部分なので適当に付けちゃいました。

機銃も爆弾も、ネット上の他の方の製作記事で同じやらかしを見かけましたのでミスしやすい点なのだと思います。

3.機首排気管
特に左側のはめ込みがきついです。ここは接着剤を付ける前に入るか確認してください。はまらなかったら排気管の基部を少し削りましょう。

4.錘
しっかり入れましょう。重さを測らずに機首とフロート前方に適当にボルトナットを放り込みましたが足りませんでした。

5.説明書誤字
ドーリー(台車)に唐突なXF-54の塗装指定がありますが、これはダークシーグレイという灰色です。多分誤字なので他の部分と同じXF-52でいいと思います。(1/48スケール版の説明書ではXF54の記載はない)

デカール

ちょっと固めでマークソフターが利きづらい感じがします。
版ずれなどはありませんでした。
マーキングと塗装例は1種類だけで「K-」の631空のみ。機体番号は6種類から選べます。

フロートのラインや翼の識別帯など、一部のデカールはどうも形状的に貼り付ける向きがあるようなのですが説明書には何も記載がありません。まあ逆に貼ってもそんなに目立ちませんが。

総評

タミヤ謹製ですのでもちろん出来は及第点。コスパもよし。
海外キットなどと相対的に比べたら当然抜群に品質は良いです。
決定版キットとして間違いないでしょう。

ただ前述のように絶対的な評価で作りやすいかと言えばそうでもありません。クリアパーツ金型の劣化も感じられます。
初心者にはややオススメとはいいがたいかなぁという感触です。


次回は考証的な点も記事にしたいと思っています。

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