WSD(ワークショップデザイナー育成プログラム)を受けてよかったこと
ワークショップに携わって十数年。以前受けた青山学院大学のワークショップデザイナー育成プログラムが非常に良かったので、どんなものだったのかをまとめてみました。
ワークショップデザイナーとは?
現在は青山学院大学(以前は鳥取大学、大阪大学でも実施)で行っている、ワークショップについて理論と実践を学べる講座です。
ワークショップデザイナーは、人と人とのコミュニケーションの場面を生み出していける専門家として、「共に」活動することを楽しめる資質を持ち、コミュニケーションを基盤とした知識や技能を活用する参加体験型活動プログラム(ワークショップ)の専門職です。(公式ホームページより)
どんなことをやる?
受講が既に9年前なので、どうやら中身はだいぶ変わってきてるようですが、eラーニングで事前に個人学習をしたり、授業の場で理論的な部分を学んだりするほか、グループを組んで実際のワークショップを組み立て・実施・振り返りまでも行います。
今振り返って改めて大事だなと思うことのメモは次の通りです。
▶︎「〜しあう」こと
できる=行動主義
わかる=認知主義
わかちあう=社会構成主義=ワークショップ
ワークショップは、思考を外在化して共有し、相互作用で意味を作り出していく行為。
▶︎すなわち、他者理解と合意形成
ワークショップの目的は、他者理解と合意形成にある。
なぜ、ググればすぐ答えがわかる今の世の中でワークショプが重要かというと、自分だけの答えを、他者と一緒に話し合うことで新しい意味づけがされ、参加した人たちの合意形成が得られたオリジナルの答えになっていくから。
▶︎前提となるのは
実は思っている以上に他人には伝わっていないということ。それを踏まえて和文和訳が必要。
プログラムをデザインする上では、活動目標、学習目標、最終目標に分けてゴールを設定し、それに向けて組んでいく。
▶︎求められるのは
社会に存在する課題は、場所・期間限定的だから、その場にフィットしたワークショップのデザインが必要。
正解と不正解の二項対立ではなく、納得解(本音と建前の間)を出していくことが大事。社会が求めることと、自分がやりたいことの納得解を求め続ける。
受けてどうだった?
受けている当時は、いつも通り仕事をしながらeラーニングの視聴や宿題提出、グループワークの進行等々、「たのくるしい」感じであっという間に過ぎて行きました。
理論的なことを知ったことで、ワークショップのプログラムをデザインするときに意識をするようになったり、色々なやり方のネタも知れて新しく取り入れてやってみることも増えました。
個人的には特に、「観察」と「振り返り」が実践の中で体験できたことが、自分が実施するときにも役立ちました。
また、何より仲間ができたことで、前後の受講生含めたワークショップデザイナー 間でのワークショップに関する情報共有などが盛んに行われているのも参加して良かった点です。特にコロナ禍のオンラインワークショップや対面ワークショップについては、実験的に色々とやってみたり、情報交換ができてとても助かりました。
ワークショップについてしっかりと学んでみたいという方にはとても充実していてオススメのプログラムです。(現状はコロナ禍の対応で通常運転ではないようです)
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