蛋白質(仮題)

見えているものが全てなら
僕達、蛋白質の塊
小さな粒が出ては消え
また出ては消え
いずれはまた 大気にとけてく
蛋白質の塊

あるいは、この脳が全てなら
世界は、信号の高まり
小さな粒の中で寄せては返す
また寄せては返す
ついには 身体さえ棄てゆく
信号の高まり

あるいは、ここに心があるなら
愛は、心臓の高鳴り
小さな胸の中でとめどなく
またとめどなく
とうとう 言葉さえ失う
心臓の高鳴り

さらに言えば、愛は
この蛋白質の塊の
信号の高まりによる
心臓の高鳴りなのであって
それら全て
ただの現象と呼ぶには
あまりに尊い
僕達を僕達たらしめる全て

ありったけの僕達なら
今は、紡がれた時間の連なり
祈りと想いが途切れなく
なお途切れなく
ようやく たどり着いた
愛しき時間の連なり

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