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ぺトリコールと詩の虹

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自作の詩をまとめてます。
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2020年12月の記事一覧

輪になって

さあ皆の衆、輪になって 猫も老婆も蜉蝣も 生きる長さは違えども 流る時間は皆同じ 荒く険しい…

5

雪の下で眠れば

こんなふうに、アスファルトで覆われた街では 雪でも降らなけりゃ、足跡さえ残せないよ 辿るよ…

7

滑走路の綿毛たち

憧れは、空色の背中をしていた 切り裂くみたいにもがいた指先が触れた 雪が溶けて、溶けて 冷…

6

寄り道の宴

あの酒は、九州で有名な焼酎だよ 赤い頬した君が云う この酒は、北陸で作られた大吟醸さ 汗を…

9

灯りの詩

何と言葉を重ねても、多分これから生きていく中でどれだけ時が重なり合っても、伝えきれること…

13

こんばんはクリスマス

この世界の何を幸せと呼んでも 許される気がする夜だから 忘れかけた胸の痛みも 飾り付けてし…

6

懺悔は僕の為ならず

違うんですよ神様 僕はただ、春を幾度となく 踏みにじっていった 許して欲しいだなんて欲深くも 呟いているようで、その声が耳に 氷柱のように差し込むような 有象無象。 そうとも。 有象無象とは 違うのですから。 そうと知りながら、むしろ そうであるが故に、立ち上がり 僕はこうして彼らを赦してもらおうと 彼らの罪は、僕が誰よりも よく分かっているのだから 先の尖った罰を与えてやらねば そしてそれが僕であらねば だからどうか、赦してやって下さい それが あなたに許された彼らにも

残り夢を食む

夢の続きを 見たいと思う あんなに悲しい夢なのに 何故だか、すぐに 忘れるから 夢の続きを …

11

残さず食べれば

注ぐたびに色の変わるスープを 毎日しかめつらで飲み干して もう、ごちそうさま お腹いっぱい…

6

シャッターチャンス

消えゆく為だけに生まれた残像が 何言いたげにこちらを見つめているので ボリュームを下げるよ…

5

不自然なくらい動かないのだ手も足も痛みはなく、迷いも風もまた足の先に、草木が励ますように…

5

第一関節

僕の脳から全身に張り巡らされた神経 という神経、その全てを今、右手の人差し指の 第一関節よ…

3

零れ日和

はら、ひれ かれていく 結べないままの靴ひもの上に 置きわすれたままの方位磁針 はら、はら…

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