
実技1【過去問私的解説&ヒント】第53回気象予報士試験
この記事では、気象予報士試験(実技試験)を独学で突破した晴野(はれの)が、令和2年1月の「第53回気象予報士試験の実技1」の問題を解いてみた「解答までの考え方&解答例」をお伝えしています。
問1(2)まで無料で公開しております。
出版社が出してる「過去問解説」とは違い、「晴野的過去問解答までの道のり」を私一人で書いており、誰かの監修は受けておりません。
私の考え方が必ずしも正解とは限らないことをご了承の上、ご利用ください。

もし第53回気象予報士試験の問題と解答を持っていなければ、まずこちらでダウンロードしてください。
模範解答も「気象予報士試験・問題と解答のダウンロード」で手に入りますから、手元において、この記事をご覧ください。
では早速やってみよー!
問1(1)の解説
(1)図1(4月27日21時の地上天気図)と図2(4月27日21時の850hPa天気図)を見ながら答えます。
①の答え「東北東」と②の答え「35」ノットは、図1の地上天気図の右下に書かれています。

③の答え「海上暴風警報」は、低気圧の中心付近に書いてありますね。

[SW]は海上暴風警報のことです。
他の海上警報についても覚えておいた方が良いですよ。
隙間時間にチェック↓
▶︎海上警報の記号&意味一覧表
④の答え「南」よりの風は
近くの矢羽を見てもらったらわかりますよね。

低気圧の東側&高気圧の西側だから、「南」よりの風です。
⑤の答えは「海上濃霧」警報。
FOG[W]は海上濃霧警報のことです。

隙間時間にチェック↓
▶︎海上警報の記号&意味一覧表
⑥の答えの「ない」は、記入形式を見たらそのまんまですね。

秋田には高積雲か高層雲(中層雲)は観測されてるけど、下層雲は観測されてません。
下層雲は全雲量の下に描くものなので、秒で答えたいですね。
参考までに、「地上観測記入形式」です。↓

⑦の答え「上昇後下降」も、記号を見るだけで答えられます。

⑧の答え「低く」も記号を見たままなので、わかりますよね。
⑨の答え「下降後上昇」も同じく見たままです。

⑩の答え「低く」は、見たままです。
一度下がった気圧が上がってる気圧変化記号ですが、最後の右端が左端より上がってないので、「3時間前より下がってる」と思ってOK!
でも国際式天気記号の意味としては、この記号は「0-」なので「同じに」でもOKです。
⑪の答え「寒気」移流は、チェジュ島の矢羽と近くの等温線を見たらわかりますね。

風は北西から等温線を横切って、温度が低い方から高い方に吹いているので「寒気移流」です!
⑫の答え「暖気」移流は、潮岬の矢羽と近くの等温線を見たらわかりますね。

風は南西から等温線を横切る向きで、温度が高い方から低い方に吹いているので「暖気移流」です!
問1(2)鹿児島の前3時間の気温変化傾向についての問題
①(1)の①②の問題を使うようにとの指示で、日本海の低気圧が3時間前には低気圧の中心が鹿児島から「近づいていたか?」「遠ざかっていたか」を考えます。
「3時間前には」って3時間前にタイムスリップして解答する感じでしょうか?
①②より、この日本海にある低気圧は「東北東に35ノット」で進んでいます。

問題文は、①②の情報を使えと言っているので使いましょう!
というわけで・・・
3時間前に、低気圧は西南西105海里(35ノット×3)のところにいたわけですよ。
・・・・・・・・・って、どこだよ?
ココだよ!!!!

105海里の距離の測り方がポイントです!
「1海里=緯度1分」。
「緯度1分=緯度1/60度」なので、「緯度1度=60海里」。
からの「緯度10度=600海里」を目安に使います。
試験中なので、物差しや定規を持っているはずなので、使ってください。
(о´∀`о)
緯度30度から40度までの直線使って、ざっくり6分の1の長さが105海里ってことで、低気圧の進路上に×印を書きました。
どうですか?
低気圧ちゃん、鹿児島から遠ざかっている最中ですね!
というわけで、①の答えは、鹿児島から「遠ざかっていた」となります。
②の答えは、模範解答のまんま、体に叩き込んでください。
18時〜21時までの気圧の変化傾向前半は、「下降」。
3時間前も低気圧の中心は鹿児島から遠ざかってたのに・・・単純に気圧が上昇するのではなく、一旦気圧が下降してたのはなぜ?っていう問題なんですね。
21時の地上天気図の等圧線を見ると、ちょうど寒冷前線が通過する頃です。
気圧の下降は「低気圧の中心との距離」だけではなく、「前線の通過」もあることも理解して覚えておきましょう!
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