【超短小説】年雄が悪口を言う時。

年雄だって誰かの悪口を言う。

それは上司だったり、部下だったり、社会だったり。

悪口を言うって事は、聞き手がいる。

大体1人か2人。

友達。

年雄が悪口を言うと、友達は大抵「うんうん」と頷き聞いてくれる。

何かが変わるわけではない。

ただ聞いてもらう。

友達も年雄に誰かの悪口を言う。

「それはムカつくな!」

年雄は一緒になって怒る。

でも何も変わらない。

そんなもんだ。

ただの感情の揺れ。

これといって覚悟があるわけではない悪口。

聞いて欲しい人数なんて、1人か2人。

多いと困る。

何かが変わるから。

良くない方向に。

悪口の程度なんて気楽なくらいがちょうどいい。

気楽な人に、気楽な人数に聞いてもらう。

覚悟の話。

浜本年雄40歳。

バランスを保つ努力さ。

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