【超短小説】年雄と一口チョコ

年雄は一口サイズのチョコを、ぽいっと口に入れた。

噛まずに口の中でゆっくり溶かす。

この食べ方がいい。

そして思う。

"なんて可愛くなったもんだ"と。

豪快に、勢いよく。

そんな男の子に憧れていた。

でも歳重ねて、憧れた自分と本当の自分に差があると気付く。

だんだんと本当の自分を出した結果、一口チョコをゆっくり食べるのが好きだと気付いた。

そう。

年雄は可愛い。

見た目は違う。

おじさん。

でも、中身は違う。

一口チョコ並に可愛い。

漫画のキャラクターのように。

絵が上手ければ、中身を表現したい。

きっとキュンとしてもらえる。

絵が下手だし口下手だから、おじさんやってます。

浜本年雄40歳。

恋愛胸キュン映画でも観て寝ますか。

今日もおつかれ。

明日もよろしく。

地球さん。

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